[診療報酬] 7対1、10対1報酬見直し、制度設計の早急な明示を 相澤日病会長
今回のポイント
●日本病院会の相澤孝夫会長は11月27日会見し、診療実績などに応じて段階的に報酬を設定する、【7対1、10対1入院基本料】の評価体系見直し案に、一定の理解を示した○ただ、基本部分と診療実績部分の内容が現時点では不明であるため、早急に具体的制度設計を示すよう求めていく考えを表明
○2018年度改定で導入する場合は、あくまで一時的な対応とし、急性期入院医療の評価指標のあり方について引き続き議論を深める必要性を強調
日本病院会の相澤孝夫会長は11月27日会見し、厚生労働省が中央社会保険医療協議会・総会に提出した【7対1、10対1一般病棟入院基本料】の見直し案について、患者の状態に応じて段階的に報酬設定する方向性には賛意を示したものの、「基本部分と実績部分をどういう指標で評価するのか、具体的な制度設計を4月の改定までに明確に示してもらわなければならない」と述べた。
現在の【一般病棟入院基本料】で、10対1病棟は「重症度、医療・看護必要度(以下、看護必要度)」の該当患者割合に応じた加算評価が行われる一方、7対1病棟は該当患者割合の基準(25%)を満たすことが算定要件に定められている。厚労省は11月24日の中医協・総会で、これを見直し、「看護職員配置などに応じた評価(基本部分)」と「診療実績に応じた段階的な評価」を組み合わせた評価体系に再編することを提案。10対1と7対1の中間的水準も新設する3段階評価とするイメージを示した。
会見で、11月25日の理事会について報告した相澤会長は、患者の状態や診療実績で診療報酬に差を設けることに賛同の声が多かったことを明らかにした。ただ、診療実績部分の評価指標に現行の看護必要度を活用することには強い問題意識を示し、「看護必要度が急性期の大変さ(医療の手間)を本当に表しているのか。現場感覚とは大きなズレがある」と指摘。仮に2018年度改定で今回の見直し案を導入する場合は、あくまで一時的なものと位置づけ、急性期入院医療の適切な評価指標のあり方については2020年度の次々回改定に向け、引き続き議論する必要があるとの認識を示した。
また私見として、【入院基本料】における消費税の評価にも言及。消費税が5%から8%に引き上げられた際、対応分として一定率の補填が行われたが、相澤会長は、「【10対1入院基本料】を基本とした段階評価となった場合、【7対1入院基本料】における消費税補填分が減ってしまう可能性がある。消費税の補填部分を見える化し、誰もが納得できる形での見直しにする必要がある」と話した。
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