よむ、つかう、まなぶ。
参考資料5_「がん研究10か年戦略」の推進に関する報告書(中間評価) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34414.html |
出典情報 | 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第13回 7/27)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
③「免疫療法に係る研究」について
免疫療法については、免疫チェックポイント阻害剤の登場により画期的な進
歩を遂げた。一方で、免疫チェックポイント阻害剤が奏功しない症例も少なく
ない。また、自己免疫応答の誘発によると考えられる重篤な副作用も報告され
ている。
免疫療法においても、個別化医療を進めていくために、奏功が期待できる患
者、強い副作用が予想される患者等を同定するバイオマーカーを開発していく
べきである。また、治療成績の改善の観点から、多くのがん抗原を発見してき
た日本の強みを活かし、がん細胞への特異性を強化する、複数の免疫機序を標
的とするなど、新たな免疫療法の開発や、免疫療法と手術療法や放射線療法と
を組み合わせる集学的な治療法の開発も進めるべきである。さらに、重篤な副
作用を回避するために、腫瘍特異性を考慮した免疫療法の開発を進めるべきで
ある。
新たな免疫療法として、CAR-T 細胞療法など自己の免疫細胞を用いた治療が
開発されているが、製剤のコストが高い、製剤までに時間がかかるといった課
題も残っている。これらの課題を解決するため、例えば、iPS 細胞の使用や新
たな遺伝子改変技術の開発等、製造に係るコストと時間を減らす技術開発も進
めるべきである。
④「リキッドバイオプシーに係る研究」について
血液等の体液サンプルに含まれているがん細胞やがん細胞由来の DNA 等を使
って診断する技術であるリキッドバイオプシーは、低侵襲な診断技術として、
また早期発見の診断技術として開発が期待されている。特に、早期診断方法が
確立されておらず、有効な治療法も少ない膵がんなどの難治性がんでは、早期
発見が可能となれば治療成績の向上に直結することも期待される。また、検査
を受ける者の負担を軽減することで、がん検診の受診率の向上に資する可能性
もあることから、ゲノム情報等も活用しながら、より簡便で、低侵襲な検査方
法としてリキッドバイオプシーの研究を推進する。
リキッドバイオプシーの研究を進めるに当たっては、低侵襲な診断や精緻な
治療マーカーとしての利用を想定する場合と検診における利用を想定する場合
とでは、開発戦略が異なることを踏まえ、何を目的として開発を進めるのかを
明確にすることが重要である。検診に利用する場合、原則として死亡率減少を
目指すこととなるが、死亡率減少の確認には長い研究期間を要するため、リキ
ッドバイオプシーの開発と同時に死亡率減少にかわる代替指標を開発する必要
がある。
21
免疫療法については、免疫チェックポイント阻害剤の登場により画期的な進
歩を遂げた。一方で、免疫チェックポイント阻害剤が奏功しない症例も少なく
ない。また、自己免疫応答の誘発によると考えられる重篤な副作用も報告され
ている。
免疫療法においても、個別化医療を進めていくために、奏功が期待できる患
者、強い副作用が予想される患者等を同定するバイオマーカーを開発していく
べきである。また、治療成績の改善の観点から、多くのがん抗原を発見してき
た日本の強みを活かし、がん細胞への特異性を強化する、複数の免疫機序を標
的とするなど、新たな免疫療法の開発や、免疫療法と手術療法や放射線療法と
を組み合わせる集学的な治療法の開発も進めるべきである。さらに、重篤な副
作用を回避するために、腫瘍特異性を考慮した免疫療法の開発を進めるべきで
ある。
新たな免疫療法として、CAR-T 細胞療法など自己の免疫細胞を用いた治療が
開発されているが、製剤のコストが高い、製剤までに時間がかかるといった課
題も残っている。これらの課題を解決するため、例えば、iPS 細胞の使用や新
たな遺伝子改変技術の開発等、製造に係るコストと時間を減らす技術開発も進
めるべきである。
④「リキッドバイオプシーに係る研究」について
血液等の体液サンプルに含まれているがん細胞やがん細胞由来の DNA 等を使
って診断する技術であるリキッドバイオプシーは、低侵襲な診断技術として、
また早期発見の診断技術として開発が期待されている。特に、早期診断方法が
確立されておらず、有効な治療法も少ない膵がんなどの難治性がんでは、早期
発見が可能となれば治療成績の向上に直結することも期待される。また、検査
を受ける者の負担を軽減することで、がん検診の受診率の向上に資する可能性
もあることから、ゲノム情報等も活用しながら、より簡便で、低侵襲な検査方
法としてリキッドバイオプシーの研究を推進する。
リキッドバイオプシーの研究を進めるに当たっては、低侵襲な診断や精緻な
治療マーカーとしての利用を想定する場合と検診における利用を想定する場合
とでは、開発戦略が異なることを踏まえ、何を目的として開発を進めるのかを
明確にすることが重要である。検診に利用する場合、原則として死亡率減少を
目指すこととなるが、死亡率減少の確認には長い研究期間を要するため、リキ
ッドバイオプシーの開発と同時に死亡率減少にかわる代替指標を開発する必要
がある。
21