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資料2 菊池構成員 提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai16/gijisidai.html
出典情報 全世代型社会保障構築会議(第16回 11/30)《内閣官房》
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資料2

第 16 回全世代型社会保障構築会議 提出資料
2023 年 11 月 30 日
菊池馨実(早稲田大学)
地域共生社会の推進に関して、以下の 2 点を指摘しておきたい。
○孤独・孤立対策の推進
雇用環境・生活環境や家族及び地域社会の変化により、人々が孤独・孤立を感じざるを得
ない状況へと変化し、コロナ禍の影響で、社会に内在していた孤独・孤立の問題が顕在化し
た。孤独・孤立の問題は、人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得るものであり、孤
独・孤立の実態調査からも、全世代で孤独を抱える方が相当割合いることが確認されている。
こうした状況の中で、孤独・孤立対策の安定的・継続的な実施のために孤独・孤立対策推
進法が成立し、2024(令和6)年4月施行される。施行後は、国のみならず各地方公共団体
における取組の進展を期待するとともに、国においては速やかに法に基づく孤独・孤立対策
重点計画を策定し、一層の孤独・孤立対策の推進に努めていただきたい。
その際、重要なのは、孤独・孤立対策それ自体の重要性と並んで、それが各省庁で展開さ
れている関連施策との連携を前提としたうえで、相互の相乗効果をもたらす結節点となり得
るとの視点である。たとえば、孤独・孤立対策の推進を通じて福祉分野の重層的支援体制整
備事業や包括的支援体制整備のより一層の展開が期待され得る。また福祉・保健医療・教育
など、ともすればタテ割りになりがちな(各省庁間または省庁の部局間にまたがる)各施策
の連携にあたっての、自治体・地域における推進役ともなり得ると考えられる。
〇身寄りのない高齢者等への生活支援
現在進められている住まい支援システム構築に向けた取り組みの次の段階として、高齢者
を中心とした単身世帯等の急増が確実に見込まれる中にあって、身元保証から日常生活支
援、死後事務の処理に至るまで、人びとの生活を支えていく体制整備の構築が重要な社会問
題となりつつある。そうした体制整備の必要性は、判断能力の有無を問わず、資力のいかん
を問わず、また必ずしも高齢者に限定されるものでもなく、社会全体において広く認知され
ていくことが予想される。自立相談支援事業(生活困窮者自立支援法)、包括的支援体制整
備・重層的支援体制整備事業(社会福祉法)
、成年後見制度利用促進(日常生活自立支援事
業・介護保険法)
、住まい支援(住宅セーフティネット法・生活困窮者自立支援法)などの
既存の各施策では、それぞれ部分的な対応にとどまることからすれば、各施策を束ねた包括
的な体制整備に向けた検討が必要と思われる。