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資料7 「賃金と物価の好循環」の現状と先行き(渡辺努氏提出資料) (11 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/1221/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和5年第17回 12/21)《厚生労働省》
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1. 物価はなぜ上がっているのか?


きっかけは輸入物価の上昇。しかし、その後の原動力は、①消費者のインフレ予想の高まり
と、②企業の価格転嫁の進展。今後も、この2つが好循環実現のカギとなる。

2. 物価の上昇は悪いことか?


1995年以降の慢性デフレ下では価格メカニズムが機能不全となり、企業と労働者の活力が
削がれた。そこから脱し、緩やかで持続的な物価と賃金の上昇を実現することは、日本経済
にとって望ましいこと。

3. 実質賃金はなぜ下がっているのか?


交易条件の悪化に伴い労働者と中小企業の所得が海外に流出。その結果、労働者の実質
賃金が低下する一方、輸入コスト増を価格に転嫁できない中小企業の収益が悪化。

4. 好循環の実現に向けた政府の役割は?


中小企業が人件費の増加分を価格に転嫁できる環境の整備を。



インフレ率ゼロ%から2%への移行を確実にするために必要な財政支出を惜しむべきでない。
労働者と中小企業に対して海外に流出した所得の補填を。



最低賃金の将来パスの明示を。

5. 好循環の実現に向けた日銀の役割は?


インフレ予想を定着(アンカー)させるために情報発信の積極化を。



海外投資家は矢継ぎ早の政策金利引上げを見込んでいるのに対して、国内投資家は極め
てゆっくりとした引上げを予想。このギャップの早期解消が必要。

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