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資料1 誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現に向けて①(女性活躍・子育て両立支援、全世代型リスキリング、予防・健康づくり)(有識者議員提出資料) (1 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0523/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和6年第6回 5/23)《内閣府》
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資料1
誰もが活躍できるウェルビーイングの高い社会の実現に向けて①
(女性活躍・子育て両立支援、全世代型リスキリング、予防・健康づくり)
2024年5月23日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
全世代型社会保障制度の構築・成長と分配の好循環の実現を通じ、誰もが活躍できるウェルビーイ
ングの高い社会の実現を目指す。その際のポイントは、現役世代への分配機能向上や健康・医療分野
の産業化(HX:Healthcare Transformation)である。
社会保障・財政と経済の相互依存関係を十分に考慮し、以下の点を実現させる「新たな令和モデル」
というべき政策パッケージを構築すべき。
①生産性上昇: 医療・介護分野における、DX,ロボット等の最新技術への投資徹底活用、データ活
用、タスクシェア・シフトの推進などの包括的な供給構造改革。健康・医療分野の海外展開を成長戦
略として位置付け推進
②労働参加の拡大: 女性・高齢者の労働参加促進、不本意非正規解消、就労促進のための制度改革、
リスキリング
③人口減少への対応: 少子化対策の徹底、若い世代の待遇改善、魅力的な地域づくり、外国人に魅
力的な雇用の場の創出
この「新たな令和モデル」に取り組むことで、人口減少が加速する2030年代以降も実質1%を安定的
に上回る成長を確保するとともに、それぞれの生涯年収が上がる等、家計が成長の恩恵を実感できる
分配を実現することが必要。
より具体的には、分配面のメルクマールとしてのKPI1を掲げて、以下の課題に取り組むとともに、DX
等の新技術を活用する実装研究プロジェクト2を実施し、EBPMを推進し得られたデータを政策立案に
活用すべき。
〇女性活躍、ジェンダーギャップの解消、子育て・両立支援:「こども未来戦略」に基づく少子化対策の
徹底・こどもや子育て世帯を社会全体で支える気運の醸成・EBPMの活用、能力に応じた若い世代
の待遇改善(例:初任給30万円超の企業の拡大)、「年収の壁」への対応、女性、特にひとり親の不本
意非正規解消、少子化・人口減少対策の視点も含めた若者・女性に選ばれる魅力的な地域づくり(10
年の取組の検証を踏まえた地方創生の新展開)を進めるべき。
〇全世代リスキリングの推進:高齢者の健康寿命が延びる中で、高齢者の定義を5歳延ばすことを検
討すべき。その上で、いつでもチャレンジできるよう、DXや将来の人材ニーズを踏まえ、就業につ
ながる教育・訓練の実施と、新たな給付等を活用した受講者の生活保障の充実を、利用状況を検証
しつつ一体的に進める。その際、諸外国の例も参考にしながら、生産性向上の切り札であるリスキリ
ング推進をめぐる現下の課題に対して関係省庁が連携の上、女性、高齢者、就職氷河期世代等を
含む全世代を対象としたリスキリングについて官民一体による国民的議論を喚起すべき。
〇予防・健康づくり(プロアクティブケア):正しい知識の下でキャリア設計を行うとともに、希望に応じ働
き続けられるよう、若年期からの健康管理を促す全世代型健康診断やプレコンセプションケア3、セ
ルフメディケーション4などの推進、PHR5等のデータの活用など、国民の自発的な疾病予防・健康づ
くりを推進する。これらの施策と働き方に中立的な年金制度の構築など希望に応じた女性・高齢者等
の就労を後押しする政策をパッケージで進めるべき。
1

掲げるべき KPI については、参考資料を参照。
医療DX、コラボヘルス、遠隔医療、子育て・少子化まちづくりを強力に推進するため、内閣府が関係省庁・自治体と連携してモデル地域における実装研究プ
ロジェクトを実施。その際、EBPM の観点から、各種データの利活用、政策効果の分析を徹底。
3
男女を問わず将来の妊娠・出産に備えた健康管理や情報提供を進める仕組み。
4
スイッチ OTC の拡大やリフィル処方箋の活用の推進も含む。
5
Personal Health Record。個人の健康状態や服薬履歴等を本人や家族が随時確認でき、日常生活改善や健康増進につなげるための仕組み。
2