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【議題(4)資料4-2】人口減少問題打破により日本と地域の未来をひらく緊急宣言.pdf (1 ページ)

公開元URL https://www.nga.gr.jp/conference/r06/6_1.html
出典情報 全国知事会議(8/1)《全国知事会》
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人口減少問題打破により日本と地域の未来をひらく緊急宣言

【修正資料】
議題資料4−2

我が国は「人口減少」という強力な波に呑まれ、その奈落の底に引き込まれつつある。確かな未来を手に
するのか、奈落へと落ちていくのか。東アジアに共通するこの危機から脱却していくのか否か。私たちは、
歴史的な岐路に立ち、前者の道を選んで今こそ踏み出していかなければならない。
昨年の我が国の出生数は統計開始以来最少の 72 万 7277 人となるとともに、合計特殊出生率も 1.20 と過
去最低を更新した。昨年国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口」によると、この
ままでは 2100 年には 6300 万人と日本の総人口は半分に縮んでいくとされており、そこからさらに縮小し
ていくと見込まれている。
急速な人口減少が進めば、医療・福祉、買い物、教育など、一定の人口規模が必要な生活サービスの提供
が困難となるほか、人手不足により公共交通やインフラの維持管理も困難となる。
さらに、消費者人口の減少は、国内市場の縮小をもたらし、我が国の投資先としての魅力を低下させる。
同時に、人口減少は労働力不足だけでなく、人々の集積や交流を通じたイノベーションを生じにくくさせる
ことによって研究開発能力などの低下を招く。
次の世代に持続可能で夢や希望を描くことができる未来を引き継いでいくために、地方部も大都市部も
共に地域経済の成長を図り、子育てなど安心して生活できる新たな社会づくりに挑戦していく必要がある。
人口減少問題について、国は過去 10 年間、
「地方創生」等の中で進めてきたが、個別の施策では成果が上
がったものの、マクロレベルでは成果が出ていない。これは、特定の地域への人口集中や、
(※)子育てに係
る経済的・時間的な負担、さらに、大規模災害リスクの観点も踏まえ、解決困難な構造的課題に対して、国
全体で集中して施策を投入できていなかったためである。
我々は、福井県における全国知事会議において志を固め、人口減少問題に対し 47 人の知事が一致結束し
て立ち上がることとした。全国知事会として「人口戦略対策本部」を組織し、我が国が直面する最大の危機
である人口減少問題に立ち向かうこととし、幾多の困難が待ち受けていようとそれらを乗り越えるべく、現
場主義と創意工夫で課題解決の先導的役割を果たし、総力を挙げて怒涛のような人口減少への構造的潮流
を食い止め、この国とそれぞれの地域を新たな未来へと導いていく壮大な挑戦に乗り出す決意である。
現下の人口減少の構造を改めていくためには、①人口や産業が特定の地域に集中している現状を見過ご
すことなく、
(※)地方部も大都市部も人口減少傾向に歯止めをかけ、地域における社会減を緩和する対策、
②子どもや若者が将来に夢を描きながら、その希望に応じて、パートナーと出会い、結婚し、安心して妊娠・
出産・子育てができる、保育・教育の無償化をはじめとする子ども・子育てにやさしい社会へ転換する対策、
③人口減少地域においても住み続けることができる持続可能な地域づくり対策などの重要課題について、
国も地方も、そして民間企業をはじめ様々な主体、国民が連携協力して、真に効果的な施策や運動を展開し
ていくことが、希望ある未来へと繋がる筋道であり、災害に強く豊かな国をつくることになる。
国においては、こうした人口減少問題の構造的課題解決を国政の中心に据え、人口戦略を総合的に推進す
る組織や体制を整えて、地方と協力しながら、機動的かつ戦略的に必要な政策手段を重点的に投入されるよ
う強く求める。また、国や地方団体のみならず、経済界・労働界・社会福祉団体・教育機関をはじめ広く国
民の皆様にご賛同をいただき、課題解決に向け連帯して行動を起こしていただくようお願いする。
以上、決議する。
※「人口戦略対策本部の設置に当たり、特定の地域への人口や産業の集積と日本全体の人口減少を関連づ
けた考え方は、因果関係が不明確であり、本質的な課題解決につながらないため、削除すべき」との意
見(東京都)があった。
令和6年8月2日
全国知事会