令和６年７月全国知事会議 福井宣言
「越山若水」と称される美しい自然や歴史・文化、１５００年を超える伝統工芸や革新を続
ける地場産業、子育て・教育・女性活躍など人が輝く「幸福度日本一」の豊かな暮らしを誇る
福井。この春、北陸新幹線東京・敦賀間が直結し、日本海国土軸となる小浜・京都・大阪への
延伸をめざすこの地において、我々は全ての住民が幸せを実感できる社会を実現するため、
少子化・人口減少、地球温暖化、国土強靭化、緊迫度を増す国際情勢など、多様化・複雑化
する課題への挑戦を決意する。
○ 今年１０年の節目となる地方創生は、今、まさに正念場を迎えており、人口減少や東京
一極集中という課題に対応するため、地方においては、自ら率先した取組みを積極的に展
開していく。一方、国に対しても、人口減少問題が我が国最大の戦略課題であるとの認識
の下、国の責任において、大学・企業の地方分散など、真に実効性ある政策の再構築、政策
を統括推進する司令塔組織の設置などを求めていく。
○ 少子化・人口減少が深刻化する中、子ども・子育て政策は従来の施策にとどまらない幅
広い観点からの対応が求められている。
“急がば回れ”という先人たちの教訓を肝に銘じな
がら、今いる子ども・若者、将来生まれてくる子ども一人ひとりを大切にしていくことで、
全ての人が将来にわたって幸せに暮らすことができる社会の実現を目指す。
○ 人口減少社会に立ち向かうために、地方分権の観点から国と地方の役割分担を見直しつ
つ、デジタル技術の活用等によって分散型社会を目指していく。
○ 能登半島地震をはじめとする大規模災害の被災者が一刻も早く日常の生活を取り戻せる
よう、被災地の迅速な復旧・復興の支援に、都道府県の力を結集して取り組む。切迫性が指
摘される国難レベルの大災害を見据え、国に対して、国土強靭化に向けた高規格道路のミ
ッシングリンクの早期解消、新幹線の整備促進などを求めていく。また、過去の災害の課
題や教訓を基に、国との役割分担を踏まえ、自治体における相互連携体制の強化、進展著
しいデジタルなどの新技術の積極的活用など、災害対策の充実・強化を強力に推進してい
く。
○ 国家プロジェクトである大阪・関西万博の開幕まであと９か月。万博の成功のみならず、
その後の日本経済の成長・発展に着実に結び付けていくためにも、全国の機運醸成や更な
る地域の活性化に向けた取組みについて、引き続き、全国知事会において、国や博覧会協
会、経済界等と連携しながら、オールジャパン体制で推進していく。
○ 都市と地方が共に輝き、次代を担う若者など誰もが明るい未来を展望できる社会の実現
に向け、全国知事会は、国、市町村、各種団体等と危機感を共有しながら連携をさらに深
め、
「結果を残す知事会」として、進取果敢に挑戦していくことをここに宣言する。

令和６年８月２日
全 国 知 事 会