令 和 ６ 年 10月 18日
老 高 発 1018第 １ 号
各

都道府県
指定都市
中 核 市

民生主管部（局）長

厚生労働省老健局高齢者支援課長
（
公
印
省
略
）

有料老人ホームの安定的かつ継続的な運営の確保の徹底について

同一法人が運営する東京都足立区等全国４ヶ所に所在する住宅型有料老人ホー
ムにおいて、本年９月に給料の未払いにより職員が一斉退職したことで、入居者へ
のサービス提供が行われず、入居者全員が短期間に施設からの転居を余儀なくさ
れる事案が発生した。高齢者が安心して住み続けられる住まいとしての役割が期
待される有料老人ホームにおいては、入居者の心身の健康を保持し、その生活の安
定を図る観点から、その安定的かつ継続的な運営が当然に確保されるべきであり、
このような事案が発生したことは誠に遺憾である。
本年５月に「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」の改正に基づく
適切な指導について通知したところであるが（平成14年７月18日付老発第0718003
号厚生労働省老健局長通知（令和６年５月23日最終改正））、今後、このような事案
が発生することを防止するため、下記により、更なる指導等の徹底を図られたい。
記

有料老人ホームは、高齢者が長年生活する場であることから、その設置者は、
経営基盤の安定を図り、入居者に対して適切にサービス提供が行われるよう、職
員配置を含めた環境整備を確実に行うことが重要である。
都道府県等において、「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」に
基づき、定期的に又は必要に応じて立入調査が行われているものと承知してい
るが、その際、入居率や資金計画・収支の状況、職員配置等、事業の継続性に関
係する事項等の聞き取りを行い、当初の事業計画と乖離がある場合には、専門家
への相談を促すなどの注意喚起を行い、改善を図るよう働きかけを行うことが
求められることに留意されたい。
また、本事案は、開設後１年に満たない時期に発生したことも踏まえ、通報等
があった場合はもとより、開設後１年以内の、一定の入居が進んだと考えられる