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資料4 國土構成員提出資料 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai19/gijisidai.html |
出典情報 | 全世代型社会保障構築会議(第19回 11/15)《内閣官房》 |
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資料4
第 19 回全世代型社会保障構築会議 國土典宏コメント 2014.11.15
清家座長、構成員の皆様、事務局の皆様、本日は私共が主催する国際シンポジウムと日程が
重なって欠席となり大変心苦しく存じます。事前に戴いた資料を拝見しての意見を文書と
して提出いたします。私こと厚生労働省の「医師養成課程を通じた医師の偏在対策等に関す
る検討会」の構成員も務めさせていますので今回は医師偏在対策に絞って意見を述べさせ
ていただきます。
まず、資料1の総理発言に少子化対応と地方創生を政権の大きなテーマとして取り組むと
いう意思を示されたことに敬意を表します。
「若者・女性にも選ばれる地方」の構築こそが
医師の地域偏在の抜本的解決法であることは論を待ちません。つまり、
「若手医師・女性医
師にも選ばれる地方」の構築をまず目指すべきであると思います。
地域偏在の是正を医師養成課程で半ば強制的に行うことは若い世代に負担を押しつける
ことになり個人的には賛同できませんが、一定の効果を上げてきました。資料2の 14 ペー
ジにありますように、卒前レベルでは「医学部地方枠定員」の増加、初期研修医養成課程で
は「医師多数地域のマッチング定員の圧縮と広域連携プログラム(後者は導入予定)
」
、専門
医養成課程では「医師多数地域定員のシーリング」という対策が取られています。それより
上の世代に対しては資料2の 20 ページ「厚生労働省医師偏在対策推進本部資料」にあるよ
うに「総合的な対策パッケージ」が提案されています。抜本的な解決法が無いため対策をパ
ッケージとして行うことには賛成です。その中で特に経済的インセンティブはやはり必要
で、医師のキャリア形成子育てなどと医師少数地域派遣の負担やコストを両立させるため
には必須であり、所謂ディスインセンティブであってはならないと思います。
診療科の偏在も対策が必要です。外科系の中で特に消化器外科医の高齢化と将来の大幅減
少予測が最近特に問題視されています。消化器外科医はがんの中で最も多い消化器がん手
術や腹膜炎などの緊急手術を担当するだけでなく、抗癌剤治療、内視鏡検査・処置、終末期
医療などマルチタスクで地域医療を支える存在です。資料 2 の 6 ページの資料によると 85
歳以上では緊急手術を要する頻度も減少するとありますが、今や消化器がんは高齢者の病
気であり、80 歳以上のがん手術は珍しくありません。将来の医療需要予測を正確に行った
上で、地方偏在対策とセットで計画的な配置と集約化を検討するべきであると思います。経
済的インセンティブはここでも重要です。外科医を対象としたアンケートでは収入に対す
る不満が上位を占めます。他診療科に比べて繁忙度が高く拘束時間が長く、合併症のリスク
もあるのにそれに見合う評価がなされていないという不満です。また、消化器外科は特に女
性外科医が少ない領域です。子育てとキャリアが両立できる体制の整備と経済的インセン
ティブがここでも必須であると思います。
以上
第 19 回全世代型社会保障構築会議 國土典宏コメント 2014.11.15
清家座長、構成員の皆様、事務局の皆様、本日は私共が主催する国際シンポジウムと日程が
重なって欠席となり大変心苦しく存じます。事前に戴いた資料を拝見しての意見を文書と
して提出いたします。私こと厚生労働省の「医師養成課程を通じた医師の偏在対策等に関す
る検討会」の構成員も務めさせていますので今回は医師偏在対策に絞って意見を述べさせ
ていただきます。
まず、資料1の総理発言に少子化対応と地方創生を政権の大きなテーマとして取り組むと
いう意思を示されたことに敬意を表します。
「若者・女性にも選ばれる地方」の構築こそが
医師の地域偏在の抜本的解決法であることは論を待ちません。つまり、
「若手医師・女性医
師にも選ばれる地方」の構築をまず目指すべきであると思います。
地域偏在の是正を医師養成課程で半ば強制的に行うことは若い世代に負担を押しつける
ことになり個人的には賛同できませんが、一定の効果を上げてきました。資料2の 14 ペー
ジにありますように、卒前レベルでは「医学部地方枠定員」の増加、初期研修医養成課程で
は「医師多数地域のマッチング定員の圧縮と広域連携プログラム(後者は導入予定)
」
、専門
医養成課程では「医師多数地域定員のシーリング」という対策が取られています。それより
上の世代に対しては資料2の 20 ページ「厚生労働省医師偏在対策推進本部資料」にあるよ
うに「総合的な対策パッケージ」が提案されています。抜本的な解決法が無いため対策をパ
ッケージとして行うことには賛成です。その中で特に経済的インセンティブはやはり必要
で、医師のキャリア形成子育てなどと医師少数地域派遣の負担やコストを両立させるため
には必須であり、所謂ディスインセンティブであってはならないと思います。
診療科の偏在も対策が必要です。外科系の中で特に消化器外科医の高齢化と将来の大幅減
少予測が最近特に問題視されています。消化器外科医はがんの中で最も多い消化器がん手
術や腹膜炎などの緊急手術を担当するだけでなく、抗癌剤治療、内視鏡検査・処置、終末期
医療などマルチタスクで地域医療を支える存在です。資料 2 の 6 ページの資料によると 85
歳以上では緊急手術を要する頻度も減少するとありますが、今や消化器がんは高齢者の病
気であり、80 歳以上のがん手術は珍しくありません。将来の医療需要予測を正確に行った
上で、地方偏在対策とセットで計画的な配置と集約化を検討するべきであると思います。経
済的インセンティブはここでも重要です。外科医を対象としたアンケートでは収入に対す
る不満が上位を占めます。他診療科に比べて繁忙度が高く拘束時間が長く、合併症のリスク
もあるのにそれに見合う評価がなされていないという不満です。また、消化器外科は特に女
性外科医が少ない領域です。子育てとキャリアが両立できる体制の整備と経済的インセン
ティブがここでも必須であると思います。
以上