よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【資料1】新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等について(案) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45948.html
出典情報 新たな地域医療構想において精神医療を位置付ける場合の課題等に関する検討プロジェクトチーム (第2回 11/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築し、重層的な支援体制を整
備することが推進されている。


これらの方向性に基づき、これまで、精神病床の適正化・機能分化、外来医療等
の体制整備等が進められてきたところであるが、精神病床の現状等を踏まえ、この
方向性を更に明確化した上で取組を進めていく必要がある。

(2)精神医療を取り巻く環境


精神病床は医療施設調査(令和2年)において 32.4 万床、総入院患者数は患者調
査(令和2年)において約 28.8 万人となっている。入院患者の疾患別では、「統合失
調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」が最も多いが、減少傾向である。また、
平均在院日数は減少し、病床利用率も低下してきている。



1年以上の長期入院患者については、約 17 万人(総入院患者数の約6割)であり、
1年以上入院する新たな長期入院患者は毎年約 3.5 万人である。また、長期入院患者
では、精神病床における高齢化が進展している。



精神疾患を有する外来患者数は、患者調査(令和2年)において約 586.1 万人とな
っており、疾患別では「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」、「神経症性障害、ス
トレス関連障害及び身体表現性障害」、「その他の精神及び行動の障害」の順に多く
なっている。また、入院患者と比べて、65 歳未満の患者の割合が多い。



精神疾患を有する患者について、気分障害、発達障害、認知症が増加するなど疾
病構造の変化がみられるとともに、身体合併症を有する者も増加している。

(3)2040 年頃を見据えた課題


今後、2040 年頃を見据えると、精神病床における高齢化の進展等に伴い、入院患
者数の減少や病床利用率の低下が更に見込まれるところ、精神病床の適正化を進め
つつ、効率的な精神医療提供体制を確保する必要がある。



また、入院患者像や疾病構造の変化が見込まれており、急性期、回復期といった
精神入院医療の機能を強化するため、精神病床の機能分化・連携、精神科病院の構
造改革及び精神医療以外の一般医療との連携体制の強化を進める必要がある。



さらに、精神医療全体における疾病構造の変化等により、精神科外来患者が増加
傾向にあることを踏まえ、救急医療を含む一般医療との連携体制の強化、外来・在
宅医療提供体制の整備がこれまで以上に重視される。



このほか、これまで精神疾患の医療提供体制については、「入院医療中心から地域
生活中心へ」という理念を掲げ、保健医療福祉に関わる多職種・多機関の有機的な
連携体制の構築を重要なものとして進められてきているところ、将来を見据えた更
なる地域移行に向けた取組を推進するため、精神医療と一般医療を合わせた医療提
供体制全体の議論を進めていく必要がある。
2