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資料4 マクロ経済財政運営(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/1226/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和6年第16回 12/26)《内閣府》 |
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資料4
マクロ経済財政運営
2024年12月26日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
来年は、米国における新政権の誕生に加え、先進各国で政治状況が変動し、各国の通商政策や
財政政策などの経済政策も変化する可能性がある。日本経済は、そうした変化に適切に対処しつつ、
「金利のある世界」に対応しながら、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を進めていく必要
がある。以下提言する。
1.成長型経済への移行に向けて
政府経済見通しで示されている、物価上昇を上回る賃金上昇を通じた消費の拡大、民間投資拡
大などによる、民需主導の経済成長の姿を現実のものとすることが重要。政府において、賃上げ
環境の整備や、潜在成長率を高めるための戦略的な投資支援など、今般の経済対策・補正予算、
来年度予算・税制、規制・制度改革による大胆な措置を、スピード感を持って実行していくべき。
今回、103万円の壁の引上げ等が協議されたが、就労調整(働き控え)をなくすことは、人手不足
への対応として重要。今回の議論を契機に、多くの国民に「就労調整するより、もっと働いた方が
良い」と思ってもらえるように、トータルパッケージで就労調整の解消に対応していくべき。
様々な「壁」があって分かりにくく、政府の対策を含め、国民に十分に伝わっておらず、今般
の制度改革など制度の全体像を分かりやすく周知徹底すべき。
企業の配偶者手当も就労調整の要因の1つであり、働き方に中立的なものとなるよう見直し
を促進。
第3号被保険者制度について、次期改正を待たずに、見直しの議論を。
2.政策遂行に不可欠な財政の信認確保
「金利のある世界」へと変化する中、積極果敢な政策運営により、厳しい状況にある我が国の財政
に負荷がかかることに留意する必要がある。適切なマクロ経済運営を図るには、政府による安定
的な資金調達を維持し政策効果を十全に発揮させることが重要であり、そのためにも財政に対す
る市場の信認は欠かせない。
PB黒字化という財政健全化の旗を下ろすことなく、これまでの歳出改革努力1の継続や歳出構造
の平時化など、歳出・歳入両面から改革に取り組み、計画的に財政状況の改善を進めるべき。そ
の際、今般取りまとめる「経済・財政新生計画 改革実行プログラム」や「EBPMアクションプラン」
に沿った進捗管理の下で改革を進めることが重要。
防衛力強化やこども・子育て政策に係る恒常的な支出増に向けては、既定の財政フレーム(防衛
力強化は2027年度まで、こども・子育て政策は2028年度まで)に沿って、歳出改革、税外収入、税制措
置等の財源を計画的に確保していくべき。
先に成立した2024年度補正予算に加え、2025年度予算案・税制改正案等の影響を精査し、1月
に新たな中長期試算を提示の上で、財政健全化の進捗を検証すべき。
1
「恒久的な歳入増を確保する場合、歳出改革の取組に当たって考慮する」という方針を含む。
マクロ経済財政運営
2024年12月26日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
来年は、米国における新政権の誕生に加え、先進各国で政治状況が変動し、各国の通商政策や
財政政策などの経済政策も変化する可能性がある。日本経済は、そうした変化に適切に対処しつつ、
「金利のある世界」に対応しながら、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を進めていく必要
がある。以下提言する。
1.成長型経済への移行に向けて
政府経済見通しで示されている、物価上昇を上回る賃金上昇を通じた消費の拡大、民間投資拡
大などによる、民需主導の経済成長の姿を現実のものとすることが重要。政府において、賃上げ
環境の整備や、潜在成長率を高めるための戦略的な投資支援など、今般の経済対策・補正予算、
来年度予算・税制、規制・制度改革による大胆な措置を、スピード感を持って実行していくべき。
今回、103万円の壁の引上げ等が協議されたが、就労調整(働き控え)をなくすことは、人手不足
への対応として重要。今回の議論を契機に、多くの国民に「就労調整するより、もっと働いた方が
良い」と思ってもらえるように、トータルパッケージで就労調整の解消に対応していくべき。
様々な「壁」があって分かりにくく、政府の対策を含め、国民に十分に伝わっておらず、今般
の制度改革など制度の全体像を分かりやすく周知徹底すべき。
企業の配偶者手当も就労調整の要因の1つであり、働き方に中立的なものとなるよう見直し
を促進。
第3号被保険者制度について、次期改正を待たずに、見直しの議論を。
2.政策遂行に不可欠な財政の信認確保
「金利のある世界」へと変化する中、積極果敢な政策運営により、厳しい状況にある我が国の財政
に負荷がかかることに留意する必要がある。適切なマクロ経済運営を図るには、政府による安定
的な資金調達を維持し政策効果を十全に発揮させることが重要であり、そのためにも財政に対す
る市場の信認は欠かせない。
PB黒字化という財政健全化の旗を下ろすことなく、これまでの歳出改革努力1の継続や歳出構造
の平時化など、歳出・歳入両面から改革に取り組み、計画的に財政状況の改善を進めるべき。そ
の際、今般取りまとめる「経済・財政新生計画 改革実行プログラム」や「EBPMアクションプラン」
に沿った進捗管理の下で改革を進めることが重要。
防衛力強化やこども・子育て政策に係る恒常的な支出増に向けては、既定の財政フレーム(防衛
力強化は2027年度まで、こども・子育て政策は2028年度まで)に沿って、歳出改革、税外収入、税制措
置等の財源を計画的に確保していくべき。
先に成立した2024年度補正予算に加え、2025年度予算案・税制改正案等の影響を精査し、1月
に新たな中長期試算を提示の上で、財政健全化の進捗を検証すべき。
1
「恒久的な歳入増を確保する場合、歳出改革の取組に当たって考慮する」という方針を含む。