よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料3-13 武藤先生提出資料 会議提出版 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00333.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第79回 4/6)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

高齢者における新型コロナウイルス感染症の療養の課題について(案)
2022 年 4 月 6 日

阿南英明、今村顕史、太田圭洋、岡部信彦、尾身 茂、釜萢 敏、川名明彦、高山義浩
田中幹人、舘田一博、中島一敏、中山ひとみ、武藤香織、吉田正樹、脇田隆字、和田耕治
(以上、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード)
磯部 哲、大竹文雄、小林慶一郎(以上、新型コロナウイルス感染症対策分科会)
秋下雅弘(日本老年医学会)
石垣泰則(日本在宅医療連合学会/日本在宅ケアアライアンス)
草場鉄周(日本プライマリ・ケア連合学会)

現在、高齢者については、感染した場合には、感染症法に基づく隔離措置として原則入院とされている(令和3年 10 月 25 日事務連絡)。ただし、感染が拡大し、医療への負荷が高まった際に、病床確保や都
道府県全体の入院調整に最大限努力した上でなお病床がひっ迫する場合で、医師が入院の必要がないと判断した場合は、宿泊療養(適切な場合は自宅療養)において丁寧な健康観察を行うことができる場合は
そのような取扱いとして差し支えないとされている(令和2年 11 月 22 日事務連絡)。また、高齢者施設等に入所している者についても、病床ひっ迫時については、やむを得ず施設内での入所を継続する
場合があり、都道府県等において個別の状況(構造・人員等)も考慮し、支援体制を整えることを前提とした上で、入所継続の指示を行うこととされている(令和3年1月 14 日事務連絡)。
以上のように、入院以外の療養、すなわち自宅療養、宿泊療養、施設内療養については、あくまでも例外的な取り扱いとされてきた。
今後も中長期的に COVID-19 の流行が繰り返されることを念頭に置きつつ、隔離や治療のための入院を必要とする高齢者に対しては、より迅速な対応ができるよう、病床確保や搬送にはこれまで以上に配慮
する必要がある。
しかし、2022 年 1 月から 2 月のオミクロン株を主流とした感染拡大において、一定の自立度を保っていた高齢者の療養については、入院を契機として様々な課題が生じた。例えば、フレイル(要介護の一歩
手前の健康状態)が進行しやすくなり、入院期間が長期化するほどその影響が大きいことが指摘されている。また、COVID-19 を契機とする誤嚥性肺炎の併発や既存疾患の悪化、生活環境の変化による転倒・
骨折リスクの増大、活動量の減少による不可逆的な身体機能の低下、住み慣れた環境や周囲の人々との関係から急激に切り離されることによる心理面の影響(患者だけでなく家族を含む)なども挙げられる。
そのため、要介護高齢者でなくても、COVID-19 の入院療養から回復後に、入院前の環境での暮らしを再開することが困難になる場合がある。
デルタ株までの流行と比較すると、オミクロン株の流行においては、高齢者における重症化リスクの
1