よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料5 白井参考人提出資料「アルコール家族(ヤングケアラー)の現状とその対策への要望~自分の体験から~」 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49785.html
出典情報 アルコール健康障害対策関係者会議(第31回 1/27)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

資料5

【アルコール家族(ヤングケアラー)の現状とその対策への要望】~自分の体験から~
2025 年 1 月 27 日 アルコール健康障害対策関係者会議にてのヒアリング資料 白井明美
(ヒアリングではこの骨子に沿って私自身の体験をお話します)

(1)アルコール依存症家族(ヤングケアラー)に何が起きているか
○アルコール依存症当事者の世話
○アルコール依存症によって起きる家庭内の危機対応➡親の問題行動の後始末や病気・けがへの対処(常に
家の中に緊張感と期待したことが守られない落胆があり、親への不信感が高まる)
◎依存症当事者でないもう片方の親の相談相手、情緒的ケア➡子供には重すぎる役割を担わされている
➡それを手放そうとすると罪悪感に襲われ、自分のことを優先できなくなる➡自分の感情を抑圧すること
で親の期待に応えようとする
――その結果
○情緒が安定しない環境の中で自己肯定感が低くなる
○人への不信感、人へ頼ることができない
○子供の時は親に合わせてどうにか頑張ってきたことが、思春期になると心の折り合いがつかなくなり、問
題がでる➡非行・引きこもり・親への反抗・友達や周りの人たちとのコミュニケーション障害
◎成人した後もその影響は続く➡親や家族の世話を続け、それができないと罪悪感をもち、自分の人生を生
きづらい。仕事や結婚等の中での人とのコミュニケーションに支障
◎苦しさから逃れるために何かに依存する➡世代間連鎖(当事者 or その家族になる)

(2)アルコール家族(ヤングケアラー)への対策としての要望
【児童(10 歳くらいまで)へ】
子供が情緒的ケアを担わなくてすむよう、依存症でない親への支援をより強化してほしい
○依存症でない親を、安心して話せる場所(相談先や家族会)
、知識・対処の仕方が学べる場所(家族セミ
ナー、専門病院の家族教室)へつなげる
◎相談機関や家族教室の依存症の知識の中に、子供が受ける影響、子供への声掛けについて盛り込む
◎依存症でない親が気持ちを下ろせる家族会への自治体からの支援(親が家族会で依存症者への怒りや不安
を話すことで、子供にぶつけなくて済む)
【ティーンエイジャーへ】
ヤングケアラー全体に、個別に相談できる環境を整備してほしい(有料カウンセリングに経済的な補助を)
アルコール家庭のヤングケアラーに対して――
①専門病院でのアルコール子供プログラム導入の推進(例として、成増厚生病院東京アルコール医療総合セ
ンターで実施されている子供プログラムや思春期プログラム)
②教育現場(スクールカウンセラー等へのアルコール依存症を親に持つ子供が受ける影響について啓発)

(3)最後に
アルコール家庭のヤングケアラーへの支援の要は親への支援から➡依存症者が外で仕事ができていても、家
の中ではアルコールの問題は起きている。早期に発見、相談につながる啓発をお願いします

1