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医療関係者間コミュニケーションアプリを応用した「治験DX」実証研究開始 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2025/0303/20250303.pdf |
出典情報 | 医療関係者間コミュニケーションアプリを応用した「治験DX」実証研究開始(3/3)《国立がん研究センター》 |
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明会を開催します。
背景
国立がん研究センター中央病院は、臨床研究中核病院として数多くの臨床試験を実施しており、全国
の医療機関からご紹介いただいた患者さんも臨床試験に参加しています。他院の患者さんが中央病院
の臨床試験に参加するためには、必要な医療情報を揃え中央病院に来院し、臨床試験の適格性を満た
すと推定された場合に、参加のための手続きや検査を進めます。しかし、来院しても適格基準を満たさ
ず臨床試験に参加することができない患者さんが 9 割と非常に多いのが現状です。その理由には、①
紹介可能な臨床試験が無い、②合併症や体調不良(performance status 不良)により、そもそも治験自
体を想定されない、③標的病変がない・現在治療中である・希望する臨床試験がなかった等が挙げられ
ており、来院前に判断できることも多く含まれます。
また、国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室の調査によると、2024 年 3 月 31 日時点
で米国・欧州いずれかで承認され、日本で未承認である医薬品は 128 薬剤、日本で適応外である薬剤
は 70 薬剤存在し、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスが問題となっています。
ドラッグ・ロスの原因として、承認につながる主たる臨床試験の実施地域として日本が選択されないと
いうことがあります。その理由として、日本国内における臨床試験に係る手続きの煩雑さ、症例登録にか
かる時間、コスト、また、承認後の薬価(薬の値段)が安く抑えられている状況等が指摘されています。ド
ラッグ・ロスの解消には、産・官・学それぞれの取組が必要ですが、治療開発の主体となる臨床研究中
核病院等は、今まで以上に臨床試験を効率的に実施する必要があります。
研究の詳細
連携協力病院の担当医(以下、主治医)は、中央病院の臨床試験への参加を希望する患者さんの情
報を、医療関係間オンラインコミュニケーションアプリ Join を使用して、中央病院に送信します。中央病
院は、受信した内容を検討し、院内で行われている臨床試験への参加可能性及び該当する臨床試験を
Join 上で回答します。適格性の推定は中央病院の各診療科に所属する本研究および臨床試験の分担
医師が担当します。主治医は、患者さんへ参加が可能な臨床試験について説明し、参加の希望があれ
ば、改めて中央病院に患者さんを紹介します。来院した患者さんに対して、中央病院の医師は、改めて
Join 上で回答した臨床試験に関する同意説明を行い、患者さんの同意を得て、適格性を確認した後に
臨床試験に参加登録を行います。
また、本システムを利用した連携協力病院の医療従事者を対象に、システムの満足度についてアン
ケート調査を行います。
なお、適格性を満たさず、臨床試験への参加が難しいと考えられる場合には、当院の受診や適格性
の推定に要する負担をかけず一般診療を継続することが可能です。
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背景
国立がん研究センター中央病院は、臨床研究中核病院として数多くの臨床試験を実施しており、全国
の医療機関からご紹介いただいた患者さんも臨床試験に参加しています。他院の患者さんが中央病院
の臨床試験に参加するためには、必要な医療情報を揃え中央病院に来院し、臨床試験の適格性を満た
すと推定された場合に、参加のための手続きや検査を進めます。しかし、来院しても適格基準を満たさ
ず臨床試験に参加することができない患者さんが 9 割と非常に多いのが現状です。その理由には、①
紹介可能な臨床試験が無い、②合併症や体調不良(performance status 不良)により、そもそも治験自
体を想定されない、③標的病変がない・現在治療中である・希望する臨床試験がなかった等が挙げられ
ており、来院前に判断できることも多く含まれます。
また、国立がん研究センター先進医療・費用対効果評価室の調査によると、2024 年 3 月 31 日時点
で米国・欧州いずれかで承認され、日本で未承認である医薬品は 128 薬剤、日本で適応外である薬剤
は 70 薬剤存在し、ドラッグ・ラグやドラッグ・ロスが問題となっています。
ドラッグ・ロスの原因として、承認につながる主たる臨床試験の実施地域として日本が選択されないと
いうことがあります。その理由として、日本国内における臨床試験に係る手続きの煩雑さ、症例登録にか
かる時間、コスト、また、承認後の薬価(薬の値段)が安く抑えられている状況等が指摘されています。ド
ラッグ・ロスの解消には、産・官・学それぞれの取組が必要ですが、治療開発の主体となる臨床研究中
核病院等は、今まで以上に臨床試験を効率的に実施する必要があります。
研究の詳細
連携協力病院の担当医(以下、主治医)は、中央病院の臨床試験への参加を希望する患者さんの情
報を、医療関係間オンラインコミュニケーションアプリ Join を使用して、中央病院に送信します。中央病
院は、受信した内容を検討し、院内で行われている臨床試験への参加可能性及び該当する臨床試験を
Join 上で回答します。適格性の推定は中央病院の各診療科に所属する本研究および臨床試験の分担
医師が担当します。主治医は、患者さんへ参加が可能な臨床試験について説明し、参加の希望があれ
ば、改めて中央病院に患者さんを紹介します。来院した患者さんに対して、中央病院の医師は、改めて
Join 上で回答した臨床試験に関する同意説明を行い、患者さんの同意を得て、適格性を確認した後に
臨床試験に参加登録を行います。
また、本システムを利用した連携協力病院の医療従事者を対象に、システムの満足度についてアン
ケート調査を行います。
なお、適格性を満たさず、臨床試験への参加が難しいと考えられる場合には、当院の受診や適格性
の推定に要する負担をかけず一般診療を継続することが可能です。
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