都内におけるＢＡ.１系統とＢＡ.２系統の組換え体の発生について
健安研におけるゲノム解析により、オミクロン株のＢＡ.1系統とＢＡ.２系統の組換え体（※）を６件
確認した（系統の分類はいずれも決定していない） 。
※組換え体・・・２種あるいはそれ以上の同種または近縁ウイルス間で、遺伝子の一部が組換わって生成されたウイルス
組換え体の概要
〇 世界各地から、オミクロン株間の組換え体が報告（ＸＥ，ＸＧ，ＸＨ，ＸＪ，ＸＫ，ＸＬ，ＸＭ，ＸＮ，ＸＰ，ＸＱ，

ＸＲ，XT，XU） ※ＧＩＳＡＩＤ（2022年5月9日時点）では、約2,700件登録されており、うち、ＸＥが約2,000件（全体の約3/4）

〇 組換え体の多くは、感染性や重症度等の変化は明らかになっていない。
ただし、ＸＥのみは、感染者の増加する速度がＢＡ.２系統に比べて１０％程度高いとの報告あり
〇 これまで、空港検疫で、ＸＥ２件、系統の分類が決定していない組換え体８件を確認
また、国内で、系統の分類が決定していない組換え体１件を確認
出典：感染・伝播性の増加や抗原性の変化が懸念される新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）の変異株について（第１６報） 国立感染症研究所 2022年4月26日9：00時点
厚生労働省ホームページ（新型コロナウイルス ゲノム解析による検疫の系統別検出状況（2022年５月４日時点））

検出の経緯
〇 これまで民間検査機関でゲノム解析を行った検体のうち、ＢＡ.１系統とＢＡ.２系統の組換え体
である可能性があるものを、健安研で改めて解析
〇 ３月中旬から４月上旬に採取した６検体について、健安研において、遺伝子配列の詳細な
解析を実施した結果、組換え体と判定
〇 国立感染症研究所に情報提供し、系統の分類が決定していない組換え体と判定（５月９日）
〇 当該患者のいずれも軽症で、海外とのリンクはない。また、現在は療養解除となっている。

⇒ これまでのところ、さらなる組換え体の検出はないが、引き続きゲノム解析等により、
組換え体を含めて、新たな変異株の動向を監視していく。