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資料2-2 指摘事項に対する回答 (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22911.html |
出典情報 | 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第127回 1/13)《厚生労働省》 |
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2.hANP 投与量の減量が 91 例(61.1%、いずれも低血圧を理由とするもの)、
中止が 44 例(29.5%、うち 35 例が低血圧を理由とするもの)となっている。
このことについて、総括報告書では、
「A 群の中には、ハンプを計画通り 3 日
間投与し得た症例から、投与中に減量・中止せざるを得なかった症例が混在
しており、ハンプ投与による肺癌術後再発予防効果をより正確に検証する
ためには、A 群をハンプの投与状況に適切に群分けし、サブグループにより
解析を行う必要があると考えられた」(p100)、「ハンプ投与による周術期抗
炎症効果についても、A 群をハンプの投与状況に適切に群分けし、サブグル
ープにより解析を行う必要があると考えられた」(p101)との考察がなされ
ている。
ハンプの薬理作用・作用機序を考察するための検討としてこのような解
析の意義は否定しないが、ハンプ投与開始前に減量・中止が必要な患者を事
前に特定できない状況、あるいはそのような患者の割合を下げる方法が見
いだされない状況では、提案されているような解析方法では周術期にハン
プを投与するという治療方法の肺癌術後再発予防効果を調べることにはな
らないので、総括報告書の該当部分にはこれらの点を明確に区別して記す
こと。
【回答】
ご指摘のように、ハンプ投与開始前に減量・中止が必要な症例を事前に特定で
きない状況では、肺癌周術期におけるハンプ投与の安全性が担保できないため、
そもそも投与対象症例を選別できず、ハンプの投与状況を考慮して肺癌術後再
発予防効果や周術期抗炎症効果を検証する意義は不明瞭です。JANP study の結
果では、肺癌周術期にハンプを投与することによって 40%以上の症例で血圧低下
をきたすことが明らかとなりました。その原因として、1.に記載いたしました
通り、ハンプの血管拡張効果と利尿効果が過度に作用する場合があると考えま
す。一方で、参考論文(総括報告書 26 ページ、文献 1、5、9、文献 1 は特定不
正行為を認めた論文)の結果より、心不全のマーカーBNP が肺癌術前に高値で
あり術前から心負荷を有する場合には、ハンプ低用量投与によって、ハンプが過
度に作用することなく心負荷改善が期待できると論じています。したがって、
JANP study で集積された全症例の術前 BNP 値を用いて、今後 BNP 値と血圧低下
の関連を明らかにしたいと考えております。さらに、ハンプに対する感受性を術
前に評価できる指標が明らかになれば、適切なハンプ投与量の決定が行える可
能性があり、JANP study で集積した血液データを含めた術前因子と血圧低下と
の関連を解析する所存です。以上の考察を、総括報告書の考察として追記いたし
ました(総括報告書 100 ページ)。
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中止が 44 例(29.5%、うち 35 例が低血圧を理由とするもの)となっている。
このことについて、総括報告書では、
「A 群の中には、ハンプを計画通り 3 日
間投与し得た症例から、投与中に減量・中止せざるを得なかった症例が混在
しており、ハンプ投与による肺癌術後再発予防効果をより正確に検証する
ためには、A 群をハンプの投与状況に適切に群分けし、サブグループにより
解析を行う必要があると考えられた」(p100)、「ハンプ投与による周術期抗
炎症効果についても、A 群をハンプの投与状況に適切に群分けし、サブグル
ープにより解析を行う必要があると考えられた」(p101)との考察がなされ
ている。
ハンプの薬理作用・作用機序を考察するための検討としてこのような解
析の意義は否定しないが、ハンプ投与開始前に減量・中止が必要な患者を事
前に特定できない状況、あるいはそのような患者の割合を下げる方法が見
いだされない状況では、提案されているような解析方法では周術期にハン
プを投与するという治療方法の肺癌術後再発予防効果を調べることにはな
らないので、総括報告書の該当部分にはこれらの点を明確に区別して記す
こと。
【回答】
ご指摘のように、ハンプ投与開始前に減量・中止が必要な症例を事前に特定で
きない状況では、肺癌周術期におけるハンプ投与の安全性が担保できないため、
そもそも投与対象症例を選別できず、ハンプの投与状況を考慮して肺癌術後再
発予防効果や周術期抗炎症効果を検証する意義は不明瞭です。JANP study の結
果では、肺癌周術期にハンプを投与することによって 40%以上の症例で血圧低下
をきたすことが明らかとなりました。その原因として、1.に記載いたしました
通り、ハンプの血管拡張効果と利尿効果が過度に作用する場合があると考えま
す。一方で、参考論文(総括報告書 26 ページ、文献 1、5、9、文献 1 は特定不
正行為を認めた論文)の結果より、心不全のマーカーBNP が肺癌術前に高値で
あり術前から心負荷を有する場合には、ハンプ低用量投与によって、ハンプが過
度に作用することなく心負荷改善が期待できると論じています。したがって、
JANP study で集積された全症例の術前 BNP 値を用いて、今後 BNP 値と血圧低下
の関連を明らかにしたいと考えております。さらに、ハンプに対する感受性を術
前に評価できる指標が明らかになれば、適切なハンプ投与量の決定が行える可
能性があり、JANP study で集積した血液データを含めた術前因子と血圧低下と
の関連を解析する所存です。以上の考察を、総括報告書の考察として追記いたし
ました(総括報告書 100 ページ)。
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