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資料2 グローバル経済のダイナミズムを取り込む「成長と分配の好循環」の拡大(参考資料)(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0516/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和4年第6回 5/16)《内閣府》 |
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資料2
今後の経済財政運営について
2022 年5月 16 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
今週、本年 1-3 月期の GDP 速報が公表される。民間機関の見通しでは、コロナの影響の下、
実質成長率は前期比マイナスの見込みとなっている。さらに、低成長・低金利・低い物価上昇が
継続していた世界経済では、ロシアのウクライナ侵攻を一つの契機に、内外の財・サービス、資
金の流れが大きく変化し、我が国の企業活動や国民生活のコストも高まってきている。
以下、今後のポリシーミックスの在り方など、短期・中期の経済財政運営に向けて、提案する。
1. 短期・中期の経済財政運営に向けて
現状、海外への所得流出を伴う物価上昇に加え、民需に力強さを欠く状況にあるほか、ロシア
のウクライナ侵攻の長期化に伴い、今後、エネルギー確保や平和維持のコストが拡大していく可
能性が高い。こうした中にあって、マクロ経済運営においては、機動的な財政政策、大胆な金融
政策のもと、適切な実行を図るとともに、構造変化を牽引しつつ、成長と分配の好循環を拡大し
ていく必要がある。
(経済)
短期的には、企業の継続的な賃上げ努力を促すとともに、エネルギーや輸入物価の高騰に
伴う国民生活へのダメージの緩和、コロナ禍で影響を受けた観光・サービス消費の下支えな
ど、必要な激変緩和策を講ずる。
その一方、中期的には、民間企業投資(成長)と継続的な所得上昇(分配)により成長力を
高めつつ需要創出を促すとともに、今後の成長分野(予防・健康、GX・DX、食料、ソーシャ
ルセクター等)への労働移動を円滑に促していくことが不可欠。これらについても、先延ばし
をせず、今から積極的に対処すべき。併せて、比較優位のメリットをこれまで以上に引き出
すとともに国内投資を喚起していくという観点から、省エネ・脱炭素を通じた国内所得の海外
流出の抑制や同じ価値観を共有する国々との協力関係の強化、さらには、農水産品・イン
バウンド・中小企業の輸出振興といった取組を強化し、産業の構造変化を促すべき。
(財政)
今後、世界的なインフレ基調が続くと見込まれる中、ポリシーミックスにおいても、需要創出・
成長促進の観点では財政政策の重要性が増していくと考えられる。財政面においては、必
要な者へのセーフティネットに万全を期す中で、経済や国民生活に係る重点を、上記に掲げ
た構造変化を促すインセンティブ・仕組みの構築、成長と分配の好循環に資する官民投資
に移していくべき。
同時に、今後、安全保障をはじめとする安全・安心に係る支出の重要性がより増していくと
みられる中、経済・財政効果を効率的かつ最大限に引き出す観点から、予算をはじめとする
制度改革を強化するとともに、歳出の効率化を図ることが不可欠。具体的には、事業の性
質に応じた基金の活用等による単年度予算の弊害の除去、成果の徹底した見える化、PP
P・PFIや共助など公的分野への民間活力の導入拡大、EBPMなくして財政支出なしの考え
方の導入、を進めるべき。
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今後の経済財政運営について
2022 年5月 16 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
今週、本年 1-3 月期の GDP 速報が公表される。民間機関の見通しでは、コロナの影響の下、
実質成長率は前期比マイナスの見込みとなっている。さらに、低成長・低金利・低い物価上昇が
継続していた世界経済では、ロシアのウクライナ侵攻を一つの契機に、内外の財・サービス、資
金の流れが大きく変化し、我が国の企業活動や国民生活のコストも高まってきている。
以下、今後のポリシーミックスの在り方など、短期・中期の経済財政運営に向けて、提案する。
1. 短期・中期の経済財政運営に向けて
現状、海外への所得流出を伴う物価上昇に加え、民需に力強さを欠く状況にあるほか、ロシア
のウクライナ侵攻の長期化に伴い、今後、エネルギー確保や平和維持のコストが拡大していく可
能性が高い。こうした中にあって、マクロ経済運営においては、機動的な財政政策、大胆な金融
政策のもと、適切な実行を図るとともに、構造変化を牽引しつつ、成長と分配の好循環を拡大し
ていく必要がある。
(経済)
短期的には、企業の継続的な賃上げ努力を促すとともに、エネルギーや輸入物価の高騰に
伴う国民生活へのダメージの緩和、コロナ禍で影響を受けた観光・サービス消費の下支えな
ど、必要な激変緩和策を講ずる。
その一方、中期的には、民間企業投資(成長)と継続的な所得上昇(分配)により成長力を
高めつつ需要創出を促すとともに、今後の成長分野(予防・健康、GX・DX、食料、ソーシャ
ルセクター等)への労働移動を円滑に促していくことが不可欠。これらについても、先延ばし
をせず、今から積極的に対処すべき。併せて、比較優位のメリットをこれまで以上に引き出
すとともに国内投資を喚起していくという観点から、省エネ・脱炭素を通じた国内所得の海外
流出の抑制や同じ価値観を共有する国々との協力関係の強化、さらには、農水産品・イン
バウンド・中小企業の輸出振興といった取組を強化し、産業の構造変化を促すべき。
(財政)
今後、世界的なインフレ基調が続くと見込まれる中、ポリシーミックスにおいても、需要創出・
成長促進の観点では財政政策の重要性が増していくと考えられる。財政面においては、必
要な者へのセーフティネットに万全を期す中で、経済や国民生活に係る重点を、上記に掲げ
た構造変化を促すインセンティブ・仕組みの構築、成長と分配の好循環に資する官民投資
に移していくべき。
同時に、今後、安全保障をはじめとする安全・安心に係る支出の重要性がより増していくと
みられる中、経済・財政効果を効率的かつ最大限に引き出す観点から、予算をはじめとする
制度改革を強化するとともに、歳出の効率化を図ることが不可欠。具体的には、事業の性
質に応じた基金の活用等による単年度予算の弊害の除去、成果の徹底した見える化、PP
P・PFIや共助など公的分野への民間活力の導入拡大、EBPMなくして財政支出なしの考え
方の導入、を進めるべき。
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