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○先進医療会議からの報告について-4 (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00146.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第521回  5/18)《厚生労働省》
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様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:二段階胚移植法
適応症:胚移植を受ける不妊症患者のうち、これまで反復して着床・妊娠に至らないもの
内容:
(先進性)
生殖補助医療における反復不成功例のなかに、形態良好胚を移植しているにもかかわらず妊娠
にいたらない着床不全症例が存在する。着床不全の原因のうち、子宮および卵管側の器質的要因
として子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮奇形、卵管水腫などが挙げられる。
一方、機能的要因として性ステロイドホルモンや胚因子の刺激に対する子宮内膜の反応異常に起
因する胚受容能の異常がなど考えられている。これらのうち胚由来因子の欠如または減少による
子宮内膜の胚受容能の低下に起因する着床率低下を改善する方法として、1999 年に滋賀医科大
学にて二段階胚移植が考案された。二段階胚移植は着床周辺期の胚と子宮内膜はシグナル交換
(クロストーク)をしており、胚は着床に向けて子宮内膜の局所環境を修飾していることを示し
たマウスを用いた基礎研究に基づいている。二段階胚移植法では day2 に初期胚を移植し、残り
の胚は培養を継続し、引き続き day5 に胚盤胞を移植する。初期胚にはクロストークにより子宮
内膜の胚受容能を高める働きを期待し、継続培養によって選択された胚盤胞がより高い確率で着
床することを期待している。以来、特に反復 ART 不成功例に対する移植方法として他施設にて
も用いられ良好な成績を挙げており、誌上報告もなされている。
胚盤胞移植は継続培養により移植胚の選択が容易になることや、胚発生と子宮内膜が同調する
ことなどにより、高い着床率を得ることができるとされる移植方法である。しかしながら、その
妊娠率は 50%前後にとどまっている。胚盤胞移植における着床不全の機能的原因として、移植胚
盤胞の子宮内での発生停止や透明帯から孵化できないなどの胚に起因する要因と、子宮環境の不
全による要因などが考えられる。
着床に適切な子宮内膜の分化、すなわち implantation window は性ステロイドホルモンの制
御のみならず、胚と子宮内膜のクロストークによって導き出されると考えられており、クロスト
ークは初期胚の段階からなされているとも考えられている。ところが、ホルモン調節周期におけ
る胚盤胞移植では、性ステロイドによる子宮内膜の分化は行われているものの、胚盤胞が移植さ
れて初めてクロストークが開始するため、子宮内膜の着床準備が遅れ、着床不全が起き妊娠不成
立となる、または着床遅延が生じている可能性がある。
Zhang らは day3移植例と day5移植例の妊娠周期での hCG 濃度を比較し、day5の方が低
値であることを報告している。かれらは、day5移植例の hCG 濃度が低値であるのは長期培養に
よる胚へのダメージが原因であると考察しているが、胚と子宮内膜のクロストークの開始が day
5移植では day3移植に比べて遅れるために生じたことに起因する着床遅延によるものと考える
こともできよう。
(概要)
治療計画


新鮮胚移植の場合

体外受精により作出された受精卵を体外で 2~3 日間培養し、得られた初期胚1個について胚移

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