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多屋委員提出資料 (1 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00046.html |
| 出典情報 | 第82回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和４年度第８回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会（合同開催）（8／5）《厚生労働省》 |
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2022 年 8 月 5 日
新型コロナワクチン接種後の血管迷走神経反射(vasovagal reaction)について
多屋馨子 1),2),３)、奥山舞 3)、森野紗衣子 3)、田中佳織 3)、三輪晴奈 3）、高梨さやか 3）、新井智 3）、落合雅樹 4）、石
井孝司 4）、鈴木基 3）
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会委員 1）、神奈川県衛生研究所２）、国立感染症研究所感
染症疫学センター3）、同 品質保証・管理部 4）
血管迷走神経反射（vasovagal reaction：VVR）は、痛み、恐怖、興奮などに引き続く生理的な反応で、顔面蒼
白、悪心、冷汗などの前駆症状、血圧低下、徐脈、めまい、けいれん、失神等を認めることがある。これらの症
状は予防接種後 15 分以内に発生することが多く、WHO の GACVS(Global Advisory Committee on Vaccine
Safety)は、予防接種ストレス関連反応（Immunization Stress-related response: ISRR）という概念を提唱した 1）。
通常、下肢を軽く挙上し安静臥床させることで改善するが、時にアナフィラキシーとの鑑別が困難な場合があ
る 2）。思春期から若年成人に多い症状であることから、わが国でも、ヒトパピローマウイルスワクチン接種後に
多くの症例が報告された 3）。失神による転倒の結果，頭部，顔面，下顎部などの打撲，顔面骨折等が認められた
症例も報告された。
2021 年 2 月から医療従事者を対象とした新型コロナワクチンの接種が始まり、高齢者、基礎疾患を有する者、
職域接種、小児へと接種対象が拡大された。今回、2021 年 2〜12 月までにおいて、新型コロナワクチン接種後
に医療機関から VVR 症例として報告された事例をまとめたので報告する（別添表）。
厚生労働省からは、これまでもリーフレット等により注意喚起がなされてきたが、二次被害を予防するために
は、接種後約 15 分間は背もたれのある椅子に座って、体調を観察し、問題がないことを確認してから帰宅させ
ることが重要である。また、これまでに VVR を発症したことがある者や、不安・緊張が強い場合は、接種前の
不安を和らげ、疼痛対策を行うとともに、ベッドに臥床して接種する方法もある。今回のまとめも踏まえても、
引き続き思春期から若年成人の接種時に注意が必要であると言える。
参考文献
1.
岡部信彦、奥山舞、多屋馨子、中島一敏、三崎貴子（翻訳）：予防接種ストレス関連反応 (ISRR)- 予防接
種プログラム責任者及び医療関係者のための予防接種ストレス関連反応 (ISRR) の予防、発見及び対応の
実施マニュアル（世界保健機関 Global Vaccine Safety and Vigilance (SAV) ）
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000962339.pdf（2022 年 7 月 31 日アクセス）
2.
日本小児科学会：日本小児科学会予防接種感染対策委員会声明：予防接種後の失神に対する注意点ついて
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yt0k-att/2r9852000000yt88.pdf（2022 年 7 月 31 日アク
セス）
3.
第 66 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和３年度第 15 回薬事・食品衛生審
議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会（合同開催）：HPV ワクチン接種後の失神関連副反
応疑いについて（企業提出資料）https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013nneatt/2r98520000013o0m.pdf（2022 年 7 月 31 日アクセス）
新型コロナワクチン接種後の血管迷走神経反射(vasovagal reaction)について
多屋馨子 1),2),３)、奥山舞 3)、森野紗衣子 3)、田中佳織 3)、三輪晴奈 3）、高梨さやか 3）、新井智 3）、落合雅樹 4）、石
井孝司 4）、鈴木基 3）
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会委員 1）、神奈川県衛生研究所２）、国立感染症研究所感
染症疫学センター3）、同 品質保証・管理部 4）
血管迷走神経反射（vasovagal reaction：VVR）は、痛み、恐怖、興奮などに引き続く生理的な反応で、顔面蒼
白、悪心、冷汗などの前駆症状、血圧低下、徐脈、めまい、けいれん、失神等を認めることがある。これらの症
状は予防接種後 15 分以内に発生することが多く、WHO の GACVS(Global Advisory Committee on Vaccine
Safety)は、予防接種ストレス関連反応（Immunization Stress-related response: ISRR）という概念を提唱した 1）。
通常、下肢を軽く挙上し安静臥床させることで改善するが、時にアナフィラキシーとの鑑別が困難な場合があ
る 2）。思春期から若年成人に多い症状であることから、わが国でも、ヒトパピローマウイルスワクチン接種後に
多くの症例が報告された 3）。失神による転倒の結果，頭部，顔面，下顎部などの打撲，顔面骨折等が認められた
症例も報告された。
2021 年 2 月から医療従事者を対象とした新型コロナワクチンの接種が始まり、高齢者、基礎疾患を有する者、
職域接種、小児へと接種対象が拡大された。今回、2021 年 2〜12 月までにおいて、新型コロナワクチン接種後
に医療機関から VVR 症例として報告された事例をまとめたので報告する（別添表）。
厚生労働省からは、これまでもリーフレット等により注意喚起がなされてきたが、二次被害を予防するために
は、接種後約 15 分間は背もたれのある椅子に座って、体調を観察し、問題がないことを確認してから帰宅させ
ることが重要である。また、これまでに VVR を発症したことがある者や、不安・緊張が強い場合は、接種前の
不安を和らげ、疼痛対策を行うとともに、ベッドに臥床して接種する方法もある。今回のまとめも踏まえても、
引き続き思春期から若年成人の接種時に注意が必要であると言える。
参考文献
1.
岡部信彦、奥山舞、多屋馨子、中島一敏、三崎貴子（翻訳）：予防接種ストレス関連反応 (ISRR)- 予防接
種プログラム責任者及び医療関係者のための予防接種ストレス関連反応 (ISRR) の予防、発見及び対応の
実施マニュアル（世界保健機関 Global Vaccine Safety and Vigilance (SAV) ）
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000962339.pdf（2022 年 7 月 31 日アクセス）
2.
日本小児科学会：日本小児科学会予防接種感染対策委員会声明：予防接種後の失神に対する注意点ついて
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000yt0k-att/2r9852000000yt88.pdf（2022 年 7 月 31 日アク
セス）
3.
第 66 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和３年度第 15 回薬事・食品衛生審
議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会（合同開催）：HPV ワクチン接種後の失神関連副反
応疑いについて（企業提出資料）https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000013nneatt/2r98520000013o0m.pdf（2022 年 7 月 31 日アクセス）