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参考資料3-7 血漿分画製剤におけるサル痘への安全対策について(CSLベーリング株式会社提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27504.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会安全技術調査会(令和4年度第2回 8/23)《厚生労働省》 |
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令和4年度第2回安全技術調査会
参考資料3-7
2022 年 8 月 17 日
血漿分画製剤におけるサル痘への安全対策について
(CSL ベーリング株式会社提出資料)
弊社が本邦にて製造販売する血漿分画製剤の安全性は、以下の主な取り組みによって保証
されていると考えております。
(1)供血者及び原材料の適切な選択
(2)血漿分画製剤向けの原料血漿やプール血漿に対しての特定の感染性ウイルスマー
カーを用いたスクリーニング
(3)病原体の不活性化及び除去のための効果的な製造工程の採用
サル痘ウイルスは、ポックスウイルス科に属する直径が約 200~250 nm のエンベロープウ
イルスです。ウイルスの脂質エンベロープは、有機溶剤/界面活性剤(S/D)処理、低 pH 処
理、パスツリゼーション処理、乾熱処理などの、血漿分画製剤の製造工程中に使用される
様々なウイルス不活化処理の影響を非常に受けやすく、さらに製造工程で実施されるウイル
スろ過はウイルス除去のための効果的な工程です。
ウイルスろ過は直径 18~25 nm の小さなウイルスでも効果的に除去できることが示されて
いることから、サル痘ウイルスは製造工程におけるウイルスろ過によって確実に除去できる
と考えられます。
これまで、弊社製品に関してサル痘ウイルスに関する特定のウイルス不活化/除去の検証の
実績はありませんが、前述のウイルス不活性化又は除去工程の有効性は、広範な物理化学的
特性を有するモデルウイルスを用いたウイルスクリアランス試験によって十分に検証されて
おります。これらの結果により、主要な血液伝染性ウイルスだけでなく、特異的に検査され
ていないウイルスやその他の病原体に対しても安全性が保証されると考えております。
前述のウイルス不活性化及び除去工程に加えて、クリオ沈殿、冷エタノール分画、デプス
フィルトレーション、クロマトグラフィー、吸着、化学沈殿及び凍結乾燥などの工程もウイ
ルス不活化/除去に効果があると考えております。
さらに、ウイルスクリアランス工程に対して予想されるサル痘ウイルスの感受性、輸血感
染又は他のヒト又は動物由来因子を介した感染の症例の報告が無いこと、疾患の発生率が低
いこと、などを考慮すると、弊社の血漿分画製剤を介したサル痘ウイルスによる新たな感染
のリスクはほぼ無いと考えられます。
従って、感染症の兆候がある場合にはその血漿を提供しないという一般的な供血者に対す
る現在の措置以上の特定の措置を導入する必要は無いと考えております。また、血漿を含む
原材料、中間製品及び最終製品に対してのサル痘に関するウイルスマーカー検査の追加も、
弊社の血漿分画製剤の安全性を保証する上では必ずしも必要であるとは考えておりません。
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参考資料3-7
2022 年 8 月 17 日
血漿分画製剤におけるサル痘への安全対策について
(CSL ベーリング株式会社提出資料)
弊社が本邦にて製造販売する血漿分画製剤の安全性は、以下の主な取り組みによって保証
されていると考えております。
(1)供血者及び原材料の適切な選択
(2)血漿分画製剤向けの原料血漿やプール血漿に対しての特定の感染性ウイルスマー
カーを用いたスクリーニング
(3)病原体の不活性化及び除去のための効果的な製造工程の採用
サル痘ウイルスは、ポックスウイルス科に属する直径が約 200~250 nm のエンベロープウ
イルスです。ウイルスの脂質エンベロープは、有機溶剤/界面活性剤(S/D)処理、低 pH 処
理、パスツリゼーション処理、乾熱処理などの、血漿分画製剤の製造工程中に使用される
様々なウイルス不活化処理の影響を非常に受けやすく、さらに製造工程で実施されるウイル
スろ過はウイルス除去のための効果的な工程です。
ウイルスろ過は直径 18~25 nm の小さなウイルスでも効果的に除去できることが示されて
いることから、サル痘ウイルスは製造工程におけるウイルスろ過によって確実に除去できる
と考えられます。
これまで、弊社製品に関してサル痘ウイルスに関する特定のウイルス不活化/除去の検証の
実績はありませんが、前述のウイルス不活性化又は除去工程の有効性は、広範な物理化学的
特性を有するモデルウイルスを用いたウイルスクリアランス試験によって十分に検証されて
おります。これらの結果により、主要な血液伝染性ウイルスだけでなく、特異的に検査され
ていないウイルスやその他の病原体に対しても安全性が保証されると考えております。
前述のウイルス不活性化及び除去工程に加えて、クリオ沈殿、冷エタノール分画、デプス
フィルトレーション、クロマトグラフィー、吸着、化学沈殿及び凍結乾燥などの工程もウイ
ルス不活化/除去に効果があると考えております。
さらに、ウイルスクリアランス工程に対して予想されるサル痘ウイルスの感受性、輸血感
染又は他のヒト又は動物由来因子を介した感染の症例の報告が無いこと、疾患の発生率が低
いこと、などを考慮すると、弊社の血漿分画製剤を介したサル痘ウイルスによる新たな感染
のリスクはほぼ無いと考えられます。
従って、感染症の兆候がある場合にはその血漿を提供しないという一般的な供血者に対す
る現在の措置以上の特定の措置を導入する必要は無いと考えております。また、血漿を含む
原材料、中間製品及び最終製品に対してのサル痘に関するウイルスマーカー検査の追加も、
弊社の血漿分画製剤の安全性を保証する上では必ずしも必要であるとは考えておりません。
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