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資料3-9 大曲先生提出資料 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00395.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第103回 10/20)《厚生労働省》
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られる。一方で、気管支およびその周囲中心に病変がみられた事例では、SARS-CoV-2 感染によって気
道中心に直接的に病変が形成されている、もしくは SARS-CoV-2 感染に伴って二次感染による肺炎を起
こしている、のいずれかの病態か、もしくは両方が併存している病態であると考えられる。患者の年齢、
ADL、そして基礎疾患を考慮すれば、誤嚥の影響も考慮すべきである。デルタ株流行期に死亡退院した
20 名のうち 15 名に肺間質を中心とした病変を認めており、デルタ株流行期の大半の患者が SARS-CoV2 感染によるウイルス性肺炎の進行により死亡したことが示唆された。
オミクロン株流行期においては、24 名のうち 11 名が入院前合併症の増悪により死亡していた。これ
らは、入院前から重篤な基礎疾患がある状況で SARS-CoV-2 に感染した事例である。その臨床経過から
は、がんや循環器疾患などの基礎疾患の悪化が死亡の主たる要因と考えられた。また入院中に生じた合
併症群では、入院前より抱えていた基礎疾患ではなく、感染症、出血、循環器疾患など別の合併症を発症
したことが、死亡の主たる要因と考えられた。両群では、SARS-CoV-2 感染そのものによる全身状態の
悪化が経過に影響を及ぼした可能性がある。
COVID-19 の発生当初からデルタ株流行期までは典型的な SARS-CoV-2 感染によるウイルス性肺炎に
よって重篤な呼吸不全を発症する事例が多かった。よって重篤な呼吸不全の患者を診療できる医療体制
の構築が必要であった。しかし、その後状況が変化していることが指摘されている。実際に今回の当院の
死亡例解析では、オミクロン株流行期に当院で亡くなった患者 24 例中 17 例において、肺炎以外の疾患
が死亡の主たる要因であり、その臨床像はデルタ株流行期に当院で亡くなった患者の臨床像とは異なっ
ていた。このような患者像の変化を踏まえて、医療体制を構築していく必要がある。

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