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資料3-1 経済・財政一体改革における重点課題(社会保障)(有識者議員提出資料) (1 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/1201/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第15回 12/1)《内閣府》
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資料3-1
経済・財政一体改革における重点課題(社会保障)
2022年12月1日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
成長と分配の好循環実現には、個人消費に大きな影響を与える家計可処分所得の拡大が不
可欠。そのためには、人への投資を通じた賃金・所得の上昇に加え、更なる踏み込んだ社会保
障制度改革を通じて、現役世代の社会保険料負担の上昇を抑制していくことが重要。その対応
として、医療・介護等の社会保険制度の中の改革を徹底するとともに、医療・介護分野の成長
力強化という社会保険制度の外の改革にも取り組んでいくことが必要である。
前者については、今後、労働人口が減少していく中にあって、2025年に全ての団塊世代が後
期高齢者となり、2040年代初頭には高齢者数が最多を迎えることから、医療・介護費の地域差
縮減と増加の抑制を徹底するとともに、全世代型社会保障の考え方の下で、現役世代への給
付の拡充と応能負担の着実な強化を進めていくべきである。
後者については、医療・介護分野でDXを始めとする生産性の向上やヘルスケアや創薬等の
市場拡大を通じて、国民の健康を増進し、医療・介護費の抑制や高齢者の労働参加による社会
保障の担い手の増加に結び付けていくため、必要な規制・制度の見直しを抜本的に行う必要が
ある。
こうした可処分所得拡大に向けた取組に加え、今後の医療・介護需要の増大、緊急事態対応
への備えといった大きな変化を乗り越えるため、医療・介護の提供体制の構造を強化すること
も急務である。データを活用しながら、地域医療構想の実現、地域包括ケアシステムの深化を
図り、限られた医療・介護資源の最適配分を実現していかなければならない。
こうした観点を踏まえ、社会保障分野については、令和5年度予算を含め、以下の改革を実
行していくべき。
1.家計可処分所得の拡大に向けた負担の抑制ときめ細やかな給付
来年度策定される都道府県の次期医療費適正化計画に、長年の課題である医療費の地域
差縮減1を加速する方策を反映すべき。また、マイナンバーも活用した世帯属性に応じたきめ細
やかな給付や応能負担の強化を実現すべき。
 一人当たり医療費の地域差は、入院が主要因。その解消には、地域医療構想を推進し、病
床の機能分化を進めるとともに、次の施策を講ずべき。
 同じ疾病・症状で外来と入院の判断が異なるなど、提供する医療サービスのバラつき
が地域差に影響している可能性。医療DXの下で整備するデータベースを活用し、標
準的な医療サービスを特定した上で、その展開を図るべき。
 入院発生率を抑制し、重症化を防ぐには、予防・健康づくりが重要。保険者である都道
府県・市町村間の財源調整に使われる国保の普通調整交付金は、保険者努力支援制
度2と一体的に見直し、移行期間を確保しつつ、予防・健康づくりと医療費適正化への
自治体のインセンティブを高める仕組みに計画的に転換していくべき。
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都道府県間の年齢構成の相違を調整した一人当たり医療費の地域差。
保険者(都道府県・市町村)における予防・健康づくりや医療費適正化に向けた取組等に対する支援を行うため、
保険者の取組状況や成果に応じて交付金を交付する制度。

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