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資料7 土居構成員提出資料 (1 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/zensedai_hosyo/dai10/gijisidai.html
出典情報 全世代型社会保障構築会議(第10回 12/7)《内閣官房》
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令和4年 12 月7日

「介護保険制度の持続可能性の確保」について

全世代型社会保障構築会議構成員

土居

丈朗

(慶應義塾大学経済学部教授)

過去に厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会の委員を 8 年ほど務めた身として、特
に介護保険については、3 年ごとの制度改正の度に毎回同じような改正項目が宿題として
掲げられ、その度に改正が見送られて委員を辞した後も未決着となっていることに、非常
に強い危機感を持っている。
介護保険について、規模は医療保険に比べてまだ小さいものの、費用総額が制度創設か
ら 20 年間で約 4 倍に膨らんでいる。加えて、今後も 75 歳以上、更には 85 歳以上の高齢者
人口が増加することにより、要介護者の人数と介護費用が急増し、我が国の経済・社会に
とって大きな問題となることが確実である。介護保険は、事実上、3 年に 1 度しか制度改
正を行うことが出来ない中で、今回、制度改正の見送りを行うことは許されない。
それにもかかわらず、本日の提出資料においては、9 月 28 日の当構築会議第 7 回会合で
増田構成員が提出した資料「医療・介護制度の改革について」で掲げられている介護分野
の個別の項目について一切触れられていない。これまで全世代型社会保障の実現に向けて、
能力に応じた負担や負担とバランスがとれた給付について議論してきたが、最も改革が必
要な介護分野において制度改正の議論を出さないことは、この会議が果たすべき使命から
逃げていると言われかねない状態である。
9 月 28 日の増田構成員の提出資料では、「利用者負担、多床室の室料負担、ケアマネジ
メントに関する給付、軽度者への生活援助サービス等、高所得者の保険料負担など、高齢
者の負担能力に応じた負担、公平性等を踏まえた給付内容の在り方」が検討すべき論点と
して提示されている。このうち、特に利用者負担については、後期高齢者医療制度におい
て 2 割負担が導入されたところであり、その対象範囲と合わせて、介護保険においても対
象範囲を拡大することが明確な論点であるとともに、本件は 3 年前の介護保険部会におい
ても次期制度改正の宿題として先送りされていた。
上記で掲げられた、介護保険における各改革項目の論点について、国民に説明できるよ
う、当構築会議の今回の報告書において、具体的に盛り込むことをお願いしたい。