よむ、つかう、まなぶ。
資料4 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30366.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 会感染症部会(第69回 1/23)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
資料4
2023 年 1 月 16 日
厚生労働省健康局長
佐原康之
様
新型コロナウイルス感染症患者の隔離・行動制限措置の問題について(意見)
全国保健所長会
会長 内田勝彦
新型コロナウイルス感染症患者に対する都道府県知事等による感染症法に基づく入院措
置や自宅や宿泊施設からの外出自粛などの協力要請などの業務は、多くの自治体において
保健所長に委任されています。感染症対策の現場では、ハンセン病や薬害エイズなどの公
衆衛生上の過去の経験と教訓を踏まえ、人権の尊重に留意してきました。例えば、現行の
感染症法となった 1999 年は季節性インフルエンザによる 3.5 万人~6.2 万人の超過死亡が
あると推定され(資料 1)、平均余命が短縮した年でしたが、5 類感染症として患者に対して
法律上の行動制限措置を強いることなく対応しました。
翻って、致死率が大きく低下し(資料 2)、年間の死亡数が約 4 万人と推定された(資料 3)
オミクロン株流行下において、陽性者に対して法の規定に基づいて入院措置や外出自粛要
請などを行うことについては、法が定める最小限の措置の趣旨に反し、患者の基本的人権
尊重の観点から問題であると、現場の相当数の保健所長が考えているところです。
改めて「感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療
の提供の確保」という感染症法の理念にそった目的を実現することを求めます。
今般、人文・社会科学系の専門家から「今後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対
策における倫理的法的社会的課題(ELSI)の観点からの提言」(令和 5 年 1 月 11 日、資料
4)がなされ、その中に「他者に感染させないための措置の対象から COVID-19 を外す必要」
の提言が出されました。われわれ感染症業務を担う立場にある保健所長としては、当該提
言について賛同し、評価するものであります。特に、当該提言における「他者に感染させ
ないための措置の対象から COVID-19 を外すことは、医療を必要とする人々を幅広い医療
機関で適切に診療できる体制の構築と安定にも寄与するものと考える。」という意見には、
同措置が非コロナ患者を含めた現下の全ての患者の医療アクセスの悪化を来す一因と考え
られることから、深く賛同するものです。
よって、政府関係者が患者の病状に応じた適切な医療の提供に必要な施策を進めながら、
早急に提言の趣旨を実現することを強く願うものです。
<引用資料>
資料 1 わが国における第二次世界大戦後のインフルエンザによる超過死亡の範囲の推定
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/53/8/53_554/_pdf
2023 年 1 月 16 日
厚生労働省健康局長
佐原康之
様
新型コロナウイルス感染症患者の隔離・行動制限措置の問題について(意見)
全国保健所長会
会長 内田勝彦
新型コロナウイルス感染症患者に対する都道府県知事等による感染症法に基づく入院措
置や自宅や宿泊施設からの外出自粛などの協力要請などの業務は、多くの自治体において
保健所長に委任されています。感染症対策の現場では、ハンセン病や薬害エイズなどの公
衆衛生上の過去の経験と教訓を踏まえ、人権の尊重に留意してきました。例えば、現行の
感染症法となった 1999 年は季節性インフルエンザによる 3.5 万人~6.2 万人の超過死亡が
あると推定され(資料 1)、平均余命が短縮した年でしたが、5 類感染症として患者に対して
法律上の行動制限措置を強いることなく対応しました。
翻って、致死率が大きく低下し(資料 2)、年間の死亡数が約 4 万人と推定された(資料 3)
オミクロン株流行下において、陽性者に対して法の規定に基づいて入院措置や外出自粛要
請などを行うことについては、法が定める最小限の措置の趣旨に反し、患者の基本的人権
尊重の観点から問題であると、現場の相当数の保健所長が考えているところです。
改めて「感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療
の提供の確保」という感染症法の理念にそった目的を実現することを求めます。
今般、人文・社会科学系の専門家から「今後の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対
策における倫理的法的社会的課題(ELSI)の観点からの提言」(令和 5 年 1 月 11 日、資料
4)がなされ、その中に「他者に感染させないための措置の対象から COVID-19 を外す必要」
の提言が出されました。われわれ感染症業務を担う立場にある保健所長としては、当該提
言について賛同し、評価するものであります。特に、当該提言における「他者に感染させ
ないための措置の対象から COVID-19 を外すことは、医療を必要とする人々を幅広い医療
機関で適切に診療できる体制の構築と安定にも寄与するものと考える。」という意見には、
同措置が非コロナ患者を含めた現下の全ての患者の医療アクセスの悪化を来す一因と考え
られることから、深く賛同するものです。
よって、政府関係者が患者の病状に応じた適切な医療の提供に必要な施策を進めながら、
早急に提言の趣旨を実現することを強く願うものです。
<引用資料>
資料 1 わが国における第二次世界大戦後のインフルエンザによる超過死亡の範囲の推定
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/53/8/53_554/_pdf