1

対面面会を再開した
施設での取り組みや工夫

withコロナ下での
高齢者施設における面会について
コロナ禍になり、
面会が思うようにできない状況が続きましたが、

ウィズコロナ下で対面面会を再開した施設での感染対策や面会の実施方法を紹介します。

ウィズコロナ下の現在では、
面会方法はどのように変化したのでしょうか。

厚生労働省新型コロナウイルス感染症クラスター対策班の一員として活躍している、

施設の実例を紹介します。

東北大学大学院の小坂健先生による留意点も参考にしてください。
ポイント ❶

Before

After

全ての面会が一時中止

対面面会を再開

全ての対面面会を中止

感染状況を見つつ、
基本的には対面面会を実施

窓越し面会

ポイント ❷

check!
熱だけではなく、
面会者や
同居家族にのどの痛みや全身の
倦怠感などの体調不良が
ある時は面会を
控えてもらいましょう。

2
check!

夏や冬は窓を
閉めがちですが、
面会時と面会の前後で
換気を行いましょう。

熱がなくても風邪症状に注意

面会時は必ず換気をする

面会者には、面会時間を通じてのマスク
着用、面会前後の手指の消毒、面会前の検
温をしてもらいます。
また、面会者が濃厚接触
者ではないかや当日の体調について、確認し
ています。

面会場所は、
すぐ近くに窓があるところを
選びましょう。季節を問わず、対面面会時は
窓を開けて、
しっかりと換気をしています。

ポイント ❸

ポイント ❹

ポイント ❺

希望する家族には
オンライン面会も継続

タブレット端末などを用いた
オンライン面会
面会を制限せざるを得ない状況では、施設側と家

地域の感染状況に留意しつつ、感染対策を行っ

族とのコミュニケーションも難しくなっていました。
ま

た上で、対面面会が再開されています。
オンラインで

た、
タブレット端末を用いたオンライン面会では、職

の面会も引き続き実施しています。

員の負担も増えました。

家族と施設のコミュニケーション

面会対応時の職員の配置

施設への来訪が減ったことにより、家族か
らの連絡が少なくなる傾向も見られます。家
族と施設との距離が遠くならないように、
こま
めに連絡を取るようにしています。

現在は面会対応時の職員の負担が増えて
います。面会の対応にあたるのは、介護職員
だけではなく、他職種の職員も協力して、負
担が集中しないよう調整しています。

職員の目の届く場所を
面会スペースに
以前は、
プライバシー保護に考慮して個室
での面会を実施していましたが、職員の目が
届くような場所での面会に切り替えました。

取材／介護老人保健施設 せんだんの丘（宮城県）、高齢者複合施設 サクラーレ福住（新潟県）

対面面会

再開後 の施設 職員と入居者家族の声

施設職員

施設職員

入居者家族

入居者家族

入居者家族

窓越し面会での苦悩から
対面面会再開へ

施設と家族の距離が
遠くならないように

面会で訪問すると
施設の雰囲気も伝わる

自分の目で
家族の元気な姿を確認

1カ月に1度でも
対面で会えるとうれしい

終末期の入居者と家族が、
窓越し面
会しかできないという状況に心が痛み
ました。
「コロナ禍だから仕方ない」
で済
ませていいものかという思いから、
面会
再開に踏み切りました。

以前は家族に連絡する場合は良くな
いことがあった時が多かったのですが、
今はこまめに利用者さんの日頃の様子
や良かったこと、
できるようになったこと
も合わせて伝えるよう心掛けています。

コロナ禍のため、
ここしばらくは家族
の顔を見て会話ができなかったので、
面会が再開されて、
とてもうれしかった
です。
面会だと、
施設の雰囲気がわかる
のも良かったですね。

今回、対面で15分程面会することが
できました。家族が健康で元気でいる
姿を、
自分の目で確認できるのはありが
たいですね。

利用している施設では、対面面会は
事前の予約が必要で、1カ月に1回程
度。
スケジュール調整が必要ではありま
すが、会えるのはうれしいですね。本人
の顔色が確認できるので安心できます。

小坂先生より

家族に会える期待・喜びで
利用者の気分が高まる

面会が再開されたことによって
、
「週 末に家族に会えるんじ
ゃない
か」
という期待から、
利用
者の気分が高まってい
くといった 良い 影響も
期待されます。