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資料 先-2○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧12/ UMIN000019694)(告示番号旧51/ UMIN000042408) (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00056.html |
出典情報 | 先進医療会議(第120回 4/6)《厚生労働省》 |
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改善率であった。術後48週時点のSF-36のPFの時点による固定効果の推定値は0(95%信頼
区間: -12.9 - 12.9)であり、統計的有意差は示されず(p= 1.000)、事前に規定された
有効性の判定基準は達成されなかった。術後24週時点の固定効果の推定値は、0.8(95%
信頼区間: -6.1 - 7.8)であった。AISに基づく改善率は、術後48週時点0.00 %(95%信
頼区間: 0.0 - 45.9)であり、事前に規定された有効性の判定基準である30%以上の改善
率に到達しなかった。術後24週時点0.00 %(95%信頼区間: 0.0 - 45.9)であった。従っ
て、SF-36のPFデータに対する有効性の判定基準、術後48週時点のAISに基づく改善率つ
いての有効性の判定基準のいずれも達成されなかったため、実施計画書に規定されたプ
ロトコル治療の有効性の判定基準は満たされなかった。
[安全性の評価結果]
有害事象は、全体で6例(100.0 %)に29件発現した。複数の被験者で発現した有害事
象は、発熱5例(83.3 %)5件、処置による疼痛4例(66.7 %)4件、頭痛2例(33.3 %)2
件であった。
「因果関係あり」の有害事象は、全体で6例(100.0%)20件発現した。
「因果
関係あり」の有害事象のうち、複数の被験者で発現した有害事象は、発熱5例(83.3 %)
5件、処置による疼痛4例(66.7 %)4件、頭痛2例(33.3 %)2件であった。死亡例は認め
られなかった。重要な有害事象として定義した6つの有害事象のうち、後皮下髄液貯留、
後髄膜炎、術後鼻腔感染症、嗅粘膜移植部における腫瘍の発生は発現しなかった。術後
鼻出血、嗅覚低下は1例(16.7 %)に1件ずつ発現したが、有害事象の程度はいずれもGrade
1であった。重篤な有害事象は腎盂腎炎1例1件のみであった。術後48週の評価のため入院
時に腎盂腎炎と診断され入院期間が延長されたものの、数日後に回復した。細菌感染に
よるものと判断されたため、プロトコル治療との「関連なし」と判定された。
[総括]
実施可能性を担保した上で有効性を評価可能な症例数として目標被験者数10例として
設定した。しかしながら、研究期間の延長を行うなどの症例収集の推進を行ったものの、
症例登録に難渋したために最終登録例数は6例と目標症例数未達で研究を終了した。
SF-36の身体機能スコア(PF)とAISに基づく改善率において、実施計画書で規定され
た有効性の判定基準が達成されず、自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療について有効性
を示すことはできなかった。データマネジメント体制をはじめ先進医療として必須とさ
れる質の高い実施体制により、誤差や過大評価にかかるバイアスが可能な限り排除され
た結果、有効性評価において先行研究結果との間に齟齬が生じたものと考えられる。有
害事象について、本研究においては先行研究と同じく、自家嗅粘膜移植の外科的介入部
分について治療に伴う副作用の影響は限定的であった。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和5年3月9日(木)16:00~
(第 146 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
大阪大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとお
りであった。
○自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療について有効性を示すことはできなかっ
た。
○海外での臨床研究を参考に進められた臨床研究である。動物実験で非臨床 PoC
検討が不十分であり、臨床研究を実施するにたるエビデンスを自ら研究で得
てから、臨床研究を進められたい。
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区間: -12.9 - 12.9)であり、統計的有意差は示されず(p= 1.000)、事前に規定された
有効性の判定基準は達成されなかった。術後24週時点の固定効果の推定値は、0.8(95%
信頼区間: -6.1 - 7.8)であった。AISに基づく改善率は、術後48週時点0.00 %(95%信
頼区間: 0.0 - 45.9)であり、事前に規定された有効性の判定基準である30%以上の改善
率に到達しなかった。術後24週時点0.00 %(95%信頼区間: 0.0 - 45.9)であった。従っ
て、SF-36のPFデータに対する有効性の判定基準、術後48週時点のAISに基づく改善率つ
いての有効性の判定基準のいずれも達成されなかったため、実施計画書に規定されたプ
ロトコル治療の有効性の判定基準は満たされなかった。
[安全性の評価結果]
有害事象は、全体で6例(100.0 %)に29件発現した。複数の被験者で発現した有害事
象は、発熱5例(83.3 %)5件、処置による疼痛4例(66.7 %)4件、頭痛2例(33.3 %)2
件であった。
「因果関係あり」の有害事象は、全体で6例(100.0%)20件発現した。
「因果
関係あり」の有害事象のうち、複数の被験者で発現した有害事象は、発熱5例(83.3 %)
5件、処置による疼痛4例(66.7 %)4件、頭痛2例(33.3 %)2件であった。死亡例は認め
られなかった。重要な有害事象として定義した6つの有害事象のうち、後皮下髄液貯留、
後髄膜炎、術後鼻腔感染症、嗅粘膜移植部における腫瘍の発生は発現しなかった。術後
鼻出血、嗅覚低下は1例(16.7 %)に1件ずつ発現したが、有害事象の程度はいずれもGrade
1であった。重篤な有害事象は腎盂腎炎1例1件のみであった。術後48週の評価のため入院
時に腎盂腎炎と診断され入院期間が延長されたものの、数日後に回復した。細菌感染に
よるものと判断されたため、プロトコル治療との「関連なし」と判定された。
[総括]
実施可能性を担保した上で有効性を評価可能な症例数として目標被験者数10例として
設定した。しかしながら、研究期間の延長を行うなどの症例収集の推進を行ったものの、
症例登録に難渋したために最終登録例数は6例と目標症例数未達で研究を終了した。
SF-36の身体機能スコア(PF)とAISに基づく改善率において、実施計画書で規定され
た有効性の判定基準が達成されず、自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療について有効性
を示すことはできなかった。データマネジメント体制をはじめ先進医療として必須とさ
れる質の高い実施体制により、誤差や過大評価にかかるバイアスが可能な限り排除され
た結果、有効性評価において先行研究結果との間に齟齬が生じたものと考えられる。有
害事象について、本研究においては先行研究と同じく、自家嗅粘膜移植の外科的介入部
分について治療に伴う副作用の影響は限定的であった。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和5年3月9日(木)16:00~
(第 146 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
大阪大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとお
りであった。
○自家嗅粘膜移植による脊髄再生治療について有効性を示すことはできなかっ
た。
○海外での臨床研究を参考に進められた臨床研究である。動物実験で非臨床 PoC
検討が不十分であり、臨床研究を実施するにたるエビデンスを自ら研究で得
てから、臨床研究を進められたい。
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