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資料 先-3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について(告示番号旧12/ UMIN000019694)(告示番号旧51/ UMIN000042408) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00056.html
出典情報 先進医療会議(第120回 4/6)《厚生労働省》
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9.9%(17/172、5.9~15.4%)であった。また、実際に治療を受けた推奨治療はエビデ
ンスレベル C 以上であり、有効性が期待出来る内容であった。実際に治療を受けたエキ
スパートパネルによる推奨治療のうち、臓器横断的な適応のある Microsatellite
instability-high (MSI-H), Tumor Mutation Burden High (TMB-H), NTRK 融合遺伝子に
基づく治療は、26.5%(9 例)であった。米国では、BRAF V600E 変異に対する MEK 阻害
剤と BRAF 阻害剤のコンビネーション治療も臓器横断的な適応があるが、本研究でこの変
異をもとに治療を受けていた症例を含めると、41.2%(14 例)が臓器横断的な遺伝子変
異に基づく治療を受けていた。さらに、実際に治療を受けた 34 例のうち 30 例(88.2%)
は、コンパニオン診断対象の遺伝子異常による治療を受けていた(本邦保険承認対象の
原発巣に限定した場合でも、17 例,50.0%)であった。
[安全性の評価結果]
F1CDx検査において機器の不具合は発生しなかった。
[総括]
標準治療開始前にがん遺伝子パネル検査を実施した場合、TATが短いことからコンパニ
オン診断に基づく治療を受けることも可能であるし、コンパニオン診断が陰性であれば
標準治療を受けるなど、多くの治療選択肢を提示できる。さらに、標準治療開始前から
プロファイリングの結果を知ることで増悪後に早期に次治療へ切り替えることが可能と
なり、患者毎に適切なタイミングでプロファイリング結果を参照し治療提案に繋げるこ
とができる。本研究の結果から、初回治療開始前にF1CDxを行うことで、適切なタイミン
グに、がん患者にとって多くの治療選択肢を提示できたことから、化学療法未施行の切
除不能進行・再発固形癌に対するマルチプレックス遺伝子パネル検査の臨床的有用性が
示されたと結論する。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和5年3月9日(木)16:00~
(第 146 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
京都大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要は以下のとお
りであった。
○本研究によって、CDx の導入により従前に比べて標準治療開始前に一定数の症
例が標準治療以外の最適と考えられる治療法にアクセスできる状況が示され、
エキスパートパネルによる推奨が本検査によって質量ともに従来よりも効果
的に機能し得ることが考えられた。
一方で、このスキームで治療を行うことで生存時間等のアウトカムが改善す
るか否かが検証されたわけではなく、本技術が真に有効性を有するかどうか
は、今後のより広範な観察研究や検証的な研究の結果を待つ必要があると思
われる。
○本先進医療技術は体外診断に係る技術であり、技術の成熟度自体には問題な
いと考えられるため、成熟したエキスパートパネルと連動して実施される範
囲において、本技術の薬事承認を妨げるデータは得られていない。
一方、生存時間の改善等、真の有効性を発揮するか否かについては、今後本
技術が導入された後も様々な結果を収集して検討を加える必要があると考え
る。

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