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参考資料2  血液製剤の安全性の向上 用語の説明 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32704.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会血液事業部会(令和5年度第1回 4/24)《厚生労働省》
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令和5年度第1回血液事業部会

参考資料 2

血液製剤の安全性の向上 用語の説明
〇細菌スクリーニングの導入
室温で保存する血小板製剤は、細菌が混入していた場合、低温で保存する他の
輸血用血液製剤よりも細菌が増殖しやすいため、細菌感染による敗血症のリス
クが高く、まれに致死的となることがある。細菌スクリーニングは、血小板バッ
グから一部を無菌的に採取して培養検査を実施し、細菌が検出されたバッグを
供給する製剤から排除するための安全対策である。2011 年からイングランドで
実施されている改良法は、細菌の検出性を高めるために、血小板採取後から検査
検体採取までの時間延長(採血後 24 時間から 36 時間に延長)
、好気性と嫌気性
の2種類の培地の使用、検査検体量を多くする、などの戦略が取られており、輸
血後細菌感染症の発生防止に高い効果があることが明らかになってきた。日本
でもこの改良法を導入することが検討されている。
〇PAS 血小板製剤の導入
PAS 血小板とは、現在の濃厚血小板製剤を浮遊させる血漿の一部を血小板添加
液(Platelet Additive Solution:PAS)に置き換えた製剤である。製剤に含ま
れる血漿量を減じることにより、患者に暴露する血漿タンパク等が低減され、輸
血によるアレルギー性輸血副作用の低減が期待される。
さらに、PAS 血小板を採取する際に一部の血漿を PAS 液に置き換えることか
ら、現在よりも多くの原料血漿を同時採取することが可能となる。
なお、血漿の一部を PAS に置き換えることにより、一部の細菌の増殖が促進
される、細菌によるものではない凝集が発生しやすくなる等の課題があるため、
本製剤導入にあたっては細菌スクリーニングの実施が必須である。
〇ヘモビジランス
血液製剤の有害事象を監視することは、被害の拡大を防ぐとともに、血液製剤
を扱う者の安全対策向上にも役立つ。ヘモビジランスとは献血の段階から輸血
患者の追跡調査までの全過程に関連するすべての有害事象を監視し、その原因
を分析評価し、適切な対応を行う事を指す。