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資料 先-3○先進医療Bの総括報告書に関する評価について (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00059.html
出典情報 先進医療会議(第123回 8/2)《厚生労働省》
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先-3
5.8.2
令和5年7月 27 日

「水素ガス吸入療法(告示旧18)」の総括報告書に関する評価について
先進医療技術審査部会
座長

竹内



慶應義塾大学病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査部会で
評価を行い、その結果を以下のとおりとりまとめたので報告いたします。

1.先進医療の概要及び申請医療機関からの報告の概要
先進医療の名称:
水素ガス吸入療法
適応症等:
心停止後症候群(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開
し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)
医療技術の概要:
本邦における院外心停止は、年間10万人以上に発生している。このうち心疾患が原因
の心原性院外心停止は約6万人、心停止の目撃があるのは約2万人である。この2万人
の1か月後生存率は8%、社会復帰率は4%にすぎない。これは、心停止後に自己心拍
が再開しても長期生存がほとんど期待できないこと、たとえ生存できても約半数が高度
の後遺障害のため社会復帰できないことを示す。
本研究では、心原性心停止が院外で発生し、自己心拍が再開したものの意識障害が遷
延する患者を対象に、標準治療として体温管理療法を行い、人工呼吸下で2%水素添加
酸素吸入を行う治療法が、神経学的予後を改善するか否かを明らかにする。
○主要評価項目:
有効性評価基準:90病日の脳機能良好の割合(CPC <Cerebral Performance Category>
で1、2と判定)
○副次評価項目:
有効性評価基準:90日生存率とその他脳機能(mRS <modified Rankin Scale>, GCS
<Glasgow Coma Scale>, MMSE <Mini-mental Status Examination>)
○目標症例数:
360例(登録症例数:73例〈水素群:39例、対照群:34例〉)
○試験期間:2016年12月~2022年5月
臨床研究登録ID : jRCTs031180352、UMIN000019820
医療技術の試験結果:
[有効性の評価結果]
主要評価項目では 90 病日の CPC スコアの1、2を有効、3-5を無効として解析し、
水素群は対象群より有効率が高い傾向が見られたものの(オッズ比 1.99: 95%信頼区間
0.78-5.11)、統計的有意差は認められなかった(P=0.15、カイ二乗検定)。
副次的評価項目として、90 病日までの死亡率は水素群が有意に低かった(P=0.02、カ
イ二乗検定)。Cox 回帰による生存時間分析では水素群の生存時間が長い傾向が見られた

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