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令和6年度介護報酬改定に向けた要望 (3 ページ)

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出典情報 令和6年度介護報酬改定に向けた要望(8/7)《全国老人福祉施設協議会》
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しているかどうかが分かりにくくなっている。
長年の改定の積み重ねにより、サービス体系及び報酬体系が複雑となり、厳密な意味での
報酬基準上の積算がないとしても、モデル的な基準上の人件費率、経費率を示していただく
ようお願いしたい。上記(1)の賃金スライド、物価スライドの基本となるものである。

2.介護従事者の処遇改善
今年度の春闘では、岸田総理の「インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」との
発言を受け、一般企業においては、冒頭述べた通り正職員、非正規職員ともに 30 年ぶり又
は過去最高の引き上げ水準となった。また、最低賃金も、今年度は過去最大の上げ幅となる
時給1,000円以上となることが決定した。
一方、介護分野では、公定価格である介護報酬が収益の中心であることから、それに対応
できるような余力がない中で、既に異業種への人材流出が見られるなど、介護人材の確保は
いよいよ困難を極めつつある。
介護人材紹介業者への規制強化や外国人材の確保・定着に向けた制度改正にも大きな期
待を寄せているが、令和6年度介護報酬改定においては、異業種への人材流出を防ぐため、
給与格差の是正のための原資確保を何よりもお願いしたい。
(1)基本報酬の増額
2025年には介護職員が約32万人不足する見込みであるが、一方、UAゼンセン日本
介護クラフトユニオンの調査によれば、介護職員の2021年の平均年収は全産業平均と
比べ約75万円低く、給与格差は依然として大きい。人手不足が広範囲の職種に拡がる中、
低賃金に加え、敬遠されがちな夜勤等の業務も必要な介護職員数を十分に確保することは
非常に厳しい状況と言わざるを得ない。
厳しい経営状況におかれている介護サービス施設・事業所には経営の安定化と十分な賃
上げが必要であるが、専門職の加配等を要件とした処遇改善加算では深刻な人材不足により
その確保が困難なため、経営の安定化に資することにはならない。また、介護職員と他職種
の賃金バランスが崩れないようにする必要から、加算対象職員以外にも対応するため、経営
を圧迫している。
令和6年度介護報酬改定においては、処遇改善に関する加算による対応だけではなく、広
く介護サービス施設・事業所に行き届くよう、基本報酬による増額を行うべきである。
(2)処遇改善に関する加算の一本化
処遇改善に関する3つの加算は、現在の介護保険サービスの担い手を支える非常に重要
な役割を果たしているが、その算定状況は介護職員処遇改善加算94.5%、介護職員等特

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