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(資料1)NDB の迅速提供に向けたスキーム再構築に資する 研究_中間報告書 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/index_00059.html |
出典情報 | 社会保障審議会 医療保険部会 匿名医療情報等の提供に関する専門委員会(第18回 12/6)《厚生労働省》 |
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「NDB の迅速提供に向けたスキーム再構築に資する研究」中間報告(案)
〇はじめに
令和5年6月の規制改革実施計画において、厚生労働省は NDB について、利用申請か
ら申請者が実際にデータの利用を開始し得るまでに要する期間について、平均で 390 日を
要する現状から原則7日(研究者等側の都合に要した期間は除く。)とすることとされ、NDB
提供体制の抜本的な見直しが進められる。本研究は、NDB データの利活用の推進のために、
令和5年度において対応が必要な政策・技術的課題の検討と、将来的な NDB のあり方も含
めた課題解決に向けた具体的提言を行い、厚生労働行政に直接的に寄与することを目的と
している。
NDB データの提供については、現在運用が開始されつつある HIC での提供の実現によ
って、新たに NDB を用いた研究を始めようとする者の初期投資を大幅に削減することが期
待され、今後規制改革実施計画においてとりまとめられたような迅速なデータ提供が実現
すれば、劇的に研究促進につながることが期待される。他方、単なるアクセス向上のみを目
的とするのではなく、NDB が有する個人特定性等の課題を踏まえつつ、研究に必要な情報
を迅速に提供し、結果として、公衆衛生の向上や厚生労働行政に資する NDB 利活用を実現
させることが重要である。そこで、本研究班では、短期的なアクセス向上への対応にとどま
らず、NDB が政策や研究の発展に資するために長期的に目指すべき方向性となることを目
的として、まず、NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方を検討し、効率的な提供に資する
データの仕様及びそのための提供体制を議論し、更に、現在の審査体制の課題等について、
厚生労働省において提供業務に携わったことのある複数の研究協力者に参画頂き、検討を
行っている。本中間報告においては、NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方や令和6年度
に開始するデータ提供内容についての具体案について、専門委員会での議論に資するよう
報告する。
○NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方
NDB は膨大で悉皆的なデータを保有しているという利点が最大の特徴であり、患者重症
度等の調整が困難であるという弱点はあるものの、この利点を活かした厚生労働行政の評
価や政策利用の手法開発等を推進することが必要である。また、NDB は診療報酬請求のた
め集められた各月のレセプト毎のデータベースであり、必ずしも研究のための利便性を考
慮して構築されたものではない。このため、一般的なデータベースハンドリングや統計解析、
疫学等の知識に加えて、レセプト構造の理解、コードの解釈のための診療報酬の知識が必要
である。次項で詳述するが NDB を研究活用のためのパネルデータとして活用するために
は、レセプト単位で作成されるデータを個人単位化する等の前処理が必要となる。このよう
な NDB の利便性を向上させるための前処理の一部は、これまでも厚生労働省において行わ
れてきているが、NDB 分析に関する知見は今も発展段階であり、今後広く利活用するため
〇はじめに
令和5年6月の規制改革実施計画において、厚生労働省は NDB について、利用申請か
ら申請者が実際にデータの利用を開始し得るまでに要する期間について、平均で 390 日を
要する現状から原則7日(研究者等側の都合に要した期間は除く。)とすることとされ、NDB
提供体制の抜本的な見直しが進められる。本研究は、NDB データの利活用の推進のために、
令和5年度において対応が必要な政策・技術的課題の検討と、将来的な NDB のあり方も含
めた課題解決に向けた具体的提言を行い、厚生労働行政に直接的に寄与することを目的と
している。
NDB データの提供については、現在運用が開始されつつある HIC での提供の実現によ
って、新たに NDB を用いた研究を始めようとする者の初期投資を大幅に削減することが期
待され、今後規制改革実施計画においてとりまとめられたような迅速なデータ提供が実現
すれば、劇的に研究促進につながることが期待される。他方、単なるアクセス向上のみを目
的とするのではなく、NDB が有する個人特定性等の課題を踏まえつつ、研究に必要な情報
を迅速に提供し、結果として、公衆衛生の向上や厚生労働行政に資する NDB 利活用を実現
させることが重要である。そこで、本研究班では、短期的なアクセス向上への対応にとどま
らず、NDB が政策や研究の発展に資するために長期的に目指すべき方向性となることを目
的として、まず、NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方を検討し、効率的な提供に資する
データの仕様及びそのための提供体制を議論し、更に、現在の審査体制の課題等について、
厚生労働省において提供業務に携わったことのある複数の研究協力者に参画頂き、検討を
行っている。本中間報告においては、NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方や令和6年度
に開始するデータ提供内容についての具体案について、専門委員会での議論に資するよう
報告する。
○NDB の特徴を踏まえた利活用のあり方
NDB は膨大で悉皆的なデータを保有しているという利点が最大の特徴であり、患者重症
度等の調整が困難であるという弱点はあるものの、この利点を活かした厚生労働行政の評
価や政策利用の手法開発等を推進することが必要である。また、NDB は診療報酬請求のた
め集められた各月のレセプト毎のデータベースであり、必ずしも研究のための利便性を考
慮して構築されたものではない。このため、一般的なデータベースハンドリングや統計解析、
疫学等の知識に加えて、レセプト構造の理解、コードの解釈のための診療報酬の知識が必要
である。次項で詳述するが NDB を研究活用のためのパネルデータとして活用するために
は、レセプト単位で作成されるデータを個人単位化する等の前処理が必要となる。このよう
な NDB の利便性を向上させるための前処理の一部は、これまでも厚生労働省において行わ
れてきているが、NDB 分析に関する知見は今も発展段階であり、今後広く利活用するため