令和 6 年度 健康保険組合予算編成状況－早期集計結果について－
【概要版】
令和６年４月 23 日
健康保険組合連合会
Ⅰ．令和 6 年予算編成（早期集計結果）の概要
１．6 年度予算編成における経常収支差引額は▲6,578 億円の赤字となる見通し。
２．保険料収入は、対前年度予算比＋4.5%（＋3,811 億円）の増加。被保険者数の堅調な伸びと
ともに、賃金引上げの追い風・効果を漸次的に反映。
３．保険給付費は、対前年度予算比＋6.2%（＋2,945 億円）の増加。新型コロナ感染拡大下での
医療費の高い伸びや著しい変動が懸念材料となり、例年に比べ高めの見込み。
４．高齢者拠出金は団塊の世代が 75 歳に到達する影響により＋4.6%（＋1,701 億円）の増加。
【月額・賞与額、保険料率、その他の主な項目】
① 標準報酬月額は＋1.9%増の 39 万 1,372 円、標準賞与額は＋3.0%増の 119 万 7,287 円。
元年度（新型コロナ感染拡大前）に比べ月額＋3.5%、賞与額＋1.5%と回復・改善へ。
② 平均保険料率は＋0.05 ポイント増の 9.32%（単一組合：9.20%、総合組合：9.87%）。実質
保険料率は＋0.17 ポイント増の 10.27%。なお、料率を引き上げた組合は 150 組合、引き
下げた組合は 75 組合。据え置いた組合は 1,127 組合。（＊回答 1,352 組合ベース）
③ 被保険者数は＋1.1%増（＋18 万 2,466 人）の 1,686 万 6,761 人と過去最高。元年度に比
べ＋2.7%増（＋44 万人）
。とくに女性が＋8.9%（＋49 万人）と著しく増加。
④ 高齢者拠出金のうち、前期高齢者納付金は＋5.7%増（＋866 億円）の 1 兆 6,003 億円、後
期高齢者支援金は＋3.8%増（＋835 億円）の 2 兆 2,769 億円。
⑤ 加入者の健康維持・増進のための保健事業費は＋1.8%増（＋81 億円）の 4,664 億円。
Ⅱ．令和 6 年度予算編成に対する考え方（現時点の情勢を踏まえた論点）
◎ 例年、予算編成は、収入・支出とも前年度の上半期データに基づいて１～２月に作業を行
うため、その後の実績の動向は反映していない。
◎ こうした時期的な制約に加え、６年度の予算編成は、以下の点から、例年にない極めて難
しい作業となり、全体としてかなり厳しめの結果となっている点に留意すべきである。
１）保険料収入は、33 年ぶりと言われる 6 年春闘の高い回答結果が反映されておらず、
大幅な賃上げに期待。なお、賃上げ１％は、保険料収入＋800 億円程度に相当。
２）保険給付費は、５年度下半期以降、伸び率が鈍化しており、６年度もその傾向が続
く見込み。
３）上記１）２）のようなプラス要因は見込めるものの、高齢者拠出金の増加は続いて
おり、全体として厳しい収支状況は続いている。