よむ、つかう、まなぶ。
【資料2-2】プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類について (2 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40300.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第85回 5/27)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
【ヒトへの感染について】
⚫ ヒトの HPAIV(H5N1)感染事例 は、平成 15 年から令和6年4月9日時点までに、発生
報告のなかった平成 30 年を除き、世界各地で散発的に報告されており、世界保健機関(WHO)
に報告された感染者数は合計 889 例であり、うち 463 例(52%)が死亡している。平成 30
年以降の報告数は大きく減少しているものの、HPAIV(H5N1)はヒト症例が報告されている鳥
インフルエンザの中でも報告された症例数が多く、また致命率が高いウイルスである。
⚫ 令和2年1月から令和6年4月9日までに、ヒト感染例は、10 ヵ国から 28 例が報告され
ており、このうち、ベトナムとカンボジア以外の 6 ヵ国から報告された 13 例において、検
出された HPAIV(H5N1)の Clade はすべて 2.3.4.4b であった。
※ 令和2年以降、H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒトでの感染事例は報告されていな
い。
⚫ HPAIV(H5N1)は効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点ではヒトで
のパンデミックに至る可能性は低いが、世界的に鳥類での感染拡大が認められ、哺乳類の
感染例も多数報告されていることから、HPAIV(H5N1)へのヒトの曝露機会が増加しており、
今後も散発的なヒト感染例が報告される可能性は高い。
⚫ なお、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くな
ったウイルスが今後出現する可能性は否定できない。
【H5 亜型 clade 2.3.4.4b ワクチン株の流行株との抗原性】
⚫ 世界的に流行をしている Clade2.3.4.4b のうち WHO が示すワクチン候補株は H5N8 である
A/Astrakhan/3212/2020 (IDCDC-RG71A)、H5N6 である A/Fujian-Sanyuan/21099/2017 (CNICFJ21099) と H5N1 で あ る A/chicken/Ghana/AVL-763_21VIR7050-39/2021 、 A/American
wigeon/South Carolina/22-000345 -001/2021、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID002)である。このうち H5N1 であり、安全性および抗原性について WHO による確認が完了し
たワクチン株として使用可能かつ、入手可能であるのは、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022
(NIID-002)である。
⚫ また、流行株とワクチン株の抗原性の比較のため、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID002)に対するフェレットの感染血清を用いた赤血球凝集阻止試験を実施したところ、A/Ezo
red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002) に対する血清は最近の流行株(H5N1)と良く反応し
たと判断された(※)。
※ 当該試験に使用されたウイルスは全て Clade2.3.4.4b に属している。
【今後の備蓄方針(案)】
⚫ 上記の検討をふまえ、今年度備蓄するワクチン株については A/Ezo red fox/Hokkaido/1
/2022 (NIID-002)とすることとしてはどうか。
⚫ 令和7年度以降、備蓄するワクチン株を変更するかについては、引き続き、企業での製造
可能性を含め、最新の知見を踏まえて検討を行っていくこととしてはどうか。
上記対応とした場合のまとめのイメージ
最大 1,000 万人分備蓄するプレパンデミックワクチンのワクチン株については、近年流行している H
5亜型のうち、広い範囲かつ哺乳類での発生が見られている Clade2.3.4.4b の中で選択し、このうち、
ワクチン製造のスケジュールに鑑み、感染症研究所が保有するワクチン株から選択する。その上で、流
行しているウイルス株との抗原性類似の観点から、今年度は A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-00
2)を備蓄することとする。
なお、令和7年度以降のワクチン株選定については、企業での製造可能性を含め、最新の知見を踏ま
えて検討を行う。また、今般のワクチンの研究開発などを踏まえ、今後の研究を含めた備蓄方針につい
ては、改めて検討することとする。
2
⚫ ヒトの HPAIV(H5N1)感染事例 は、平成 15 年から令和6年4月9日時点までに、発生
報告のなかった平成 30 年を除き、世界各地で散発的に報告されており、世界保健機関(WHO)
に報告された感染者数は合計 889 例であり、うち 463 例(52%)が死亡している。平成 30
年以降の報告数は大きく減少しているものの、HPAIV(H5N1)はヒト症例が報告されている鳥
インフルエンザの中でも報告された症例数が多く、また致命率が高いウイルスである。
⚫ 令和2年1月から令和6年4月9日までに、ヒト感染例は、10 ヵ国から 28 例が報告され
ており、このうち、ベトナムとカンボジア以外の 6 ヵ国から報告された 13 例において、検
出された HPAIV(H5N1)の Clade はすべて 2.3.4.4b であった。
※ 令和2年以降、H7N9 鳥インフルエンザウイルスのヒトでの感染事例は報告されていな
い。
⚫ HPAIV(H5N1)は効率的にヒトからヒトへ感染する能力を獲得しておらず、現時点ではヒトで
のパンデミックに至る可能性は低いが、世界的に鳥類での感染拡大が認められ、哺乳類の
感染例も多数報告されていることから、HPAIV(H5N1)へのヒトの曝露機会が増加しており、
今後も散発的なヒト感染例が報告される可能性は高い。
⚫ なお、動物で感染が拡大する中でアミノ酸変異が蓄積して、ヒトへの感染性がより高くな
ったウイルスが今後出現する可能性は否定できない。
【H5 亜型 clade 2.3.4.4b ワクチン株の流行株との抗原性】
⚫ 世界的に流行をしている Clade2.3.4.4b のうち WHO が示すワクチン候補株は H5N8 である
A/Astrakhan/3212/2020 (IDCDC-RG71A)、H5N6 である A/Fujian-Sanyuan/21099/2017 (CNICFJ21099) と H5N1 で あ る A/chicken/Ghana/AVL-763_21VIR7050-39/2021 、 A/American
wigeon/South Carolina/22-000345 -001/2021、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID002)である。このうち H5N1 であり、安全性および抗原性について WHO による確認が完了し
たワクチン株として使用可能かつ、入手可能であるのは、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022
(NIID-002)である。
⚫ また、流行株とワクチン株の抗原性の比較のため、A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID002)に対するフェレットの感染血清を用いた赤血球凝集阻止試験を実施したところ、A/Ezo
red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-002) に対する血清は最近の流行株(H5N1)と良く反応し
たと判断された(※)。
※ 当該試験に使用されたウイルスは全て Clade2.3.4.4b に属している。
【今後の備蓄方針(案)】
⚫ 上記の検討をふまえ、今年度備蓄するワクチン株については A/Ezo red fox/Hokkaido/1
/2022 (NIID-002)とすることとしてはどうか。
⚫ 令和7年度以降、備蓄するワクチン株を変更するかについては、引き続き、企業での製造
可能性を含め、最新の知見を踏まえて検討を行っていくこととしてはどうか。
上記対応とした場合のまとめのイメージ
最大 1,000 万人分備蓄するプレパンデミックワクチンのワクチン株については、近年流行している H
5亜型のうち、広い範囲かつ哺乳類での発生が見られている Clade2.3.4.4b の中で選択し、このうち、
ワクチン製造のスケジュールに鑑み、感染症研究所が保有するワクチン株から選択する。その上で、流
行しているウイルス株との抗原性類似の観点から、今年度は A/Ezo red fox/Hokkaido/1/2022 (NIID-00
2)を備蓄することとする。
なお、令和7年度以降のワクチン株選定については、企業での製造可能性を含め、最新の知見を踏ま
えて検討を行う。また、今般のワクチンの研究開発などを踏まえ、今後の研究を含めた備蓄方針につい
ては、改めて検討することとする。
2