よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料2-1 長谷川委員提出資料 WHO COVID-19 ワクチン抗原の推奨について (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/newpage_00104.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 研究開発及び生産・流通部会 季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会(第2回 5/29)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

かの JN.1 由来の変異株(例:JN.13.1、JN.1.11.1、KP.2)は、それぞれ独立した進化を
経たものの、スパイクタンパク質の抗原決定基に関わるアミノ酸残基 346、456 への変異
を含む。これらアミノ酸残基の置換は、以前の SARS-CoV-2 変異株(例:BQ.1 および
XBB の R346T、EG.5 および HK.3 の F456L)でも見られ、置換部位は中和抗体が認識す
るエピトープ内にある。以上の事から、近い将来に流行している SARS-CoV-2 変異株は
JN.1 由来である可能性が高いと推察される。
XBB.1.5 株もしくは JN.1 株に初感作された動物及びヒト抗血清を用いた解析データか
ら、これらウイルス株の抗原性は異なると考えられる。一方で、SARS-CoV-2 感染歴の有
無に関わらず XBB.1.5 一価ワクチン接種後の抗血清は、XBB.1.5 及びその派生株(EG.5、
HK.3、HV.1)並びに BA.2.86 と JN.1 を中和する。しかしながら、公表済み及び非公表の
研究において、JN.1 に対する中和抗体価は XBB.1.5 に対する中和抗体価よりも 2~5 倍程
度低く、F456L もしくは R346T 変異を伴う JN.1 由来の変異株に対する交差中和価はさら
なる低下が確認されている。
過去に報告されたヒト免疫原性データの二次解析から、株を更新したワクチンによる追
加接種は、以前の株を用いたワクチン接種に比べて最新変異株に対する中和抗体を平均
40%増加させることが確認された。統計モデリングにより、ワクチン抗原を更新した場合
のワクチン有効性に対する効果は、重症化及び発症予防効果に対し、それぞれ 23-33%と
11-25%ずつ増加すると予測されている。
TAG-CO-VAC に対し機密情報としてワクチンメーカーから共有された非臨床試験のデ
ータによると、JN.1 一価ワクチン候補によって免疫されたマウスでは、既承認ワクチンで
免疫された場合に比べ、JN.1 および JN.1 派生変異株に対しより高い中和抗体応答を誘導
した。1つの臨床試験結果であるものの、JN.1 一価ワクチン候補を用いたヒト免疫原性試
験の成績は、単一の臨床試験の結果であるものの、XBB.1.5 や関連するワクチン抗原に比
べて JN.1 派生変異株(例:KP.2)に対してより高い中和抗体を産生する可能性が示唆さ
れている。
TAG-CO-VAC による COVID-19 ワクチン抗原構成に関する推奨
2024 年 4 月時点で、ほとんどの流行している SARS-CoV-2 変異株は JN.1 由来である。
JN.1 からウイルスの進化が続くと予想されるため、将来の COVID-19 ワクチンの製剤は、
JN.1 およびその派生変異株に対する強い中和抗体応答を誘導することを目指すべきとされ
た。その結果、TAG-CO-VAC が推奨する1つの手法は、JN.1 系統の一価ワクチン抗原
(GenBank: PP298019, GISAID: EPI_ISL_18872762.)を含むワクチンと発表された。
また、現行の1価 XBB.1.5 ワクチンの継続的な使用でも、初期の JN.1 系統変異株に対す
る中和抗体応答を誘導し感染からの保護が期待できることも合わせて発表されている。た
だし、SARS-CoV-2 の更なる変異が JN.1 から続くと、XBB.1.5 ワクチンによる発症予防
効果が現状より弱くなる可能性がある点にも言及されている。また、現在流行している特
2