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感染症週報 2024年第27週(7月1日-7月7日) (10 ページ)

公開元URL https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr-dl/2024.html
出典情報 感染症週報 2024年第27週(7月1日-7月7日)(7/22)《国立感染症研究所》
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Infectious Diseases Weekly Report Japan

2024年 第27週
(7月1日〜 7月7日)
:通巻第26巻 第27号

注目すべき感染症
◆手足口病
手足口病は、四肢および口腔粘膜等に現れる水疱性発疹を主症状とする急性ウイルス性感
染症であり、主に乳幼児の間で夏季に流行する。近年、わが国の手足口病の病原ウイルスは主
にコクサッキーウイルスA6(CA6)、A16(CA16)、A10(CA10)、エンテロウイルス71(EV71)な
どである。不顕性感染例も存在し、基本的には数日で治癒する予後良好な疾患であるが、まれ
に小脳失調症、髄膜炎、脳炎などの中枢神経症状を合併することがある。感染経路は主に糞口
感染を含む接触感染と飛沫感染である。
手足口病は感染症発生動向調査における5類感染症小児科定点把握疾患の一つで、全国約
3000カ所の小児科定点医療機関が週単位で報告を行っている(届出基準:https://www.
mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-20.html)。手足口病の報告数は報
告年ごとに大きく異なり、2009年から2019年までの10年でみると、最も報告数が少なかった報
告年は2016年(69,139例)であり、最も報告数が多かった報告年は2019年(402,529例)であっ
た。例年は第15週付近から定点当たり報告数が増加し始め、第30週付近でピークをむかえる、
一峰性の季節性の増減が見られた。報告数が多かった2019年のピーク時の定点当たり報告数
は、13.42(第30週)であった。新型コロナウイルス感染症流行開始後は手足口病の流行状況に
変化が認められ、2020年は報告数が例年を大きく下回り(18,364例)、2021年から2023年は、
報告数は2009年から2019年の水準になったが、第36週から第41週にかけて定点当たり報告数
がピークをむかえた。2021年から2023年までの各年における最大定点当たり報告数とその報告
週は、それぞれ2021年1.71(第41週)、2022年3.77(第36週)、2023年1.77(第39週)であった。
2024年は新型コロナウイルス感染症流行開始前とほぼ同様に第15週から定点当たり報告数が
増加しており、過去5年間の週の平均(前週、当該週、後週の報告数の5年間分、合計15週間分
の平均)と比較してかなり多い水準で推移している。特に2024年第19週以降は、2014年以降の
過去10年間の当該週と比較しても定点当たり報告数が最多である。
地域別では、2024年第27週の定点当たり報告数上位5位は三重県(25.98)、埼玉県(18.80)、
富山県(18.76)、広島県(16.99)、栃木県/静岡県(16.58)であった。2024年第26週までの直近5週
間の定点当たり報告数上位5位の都道府県を以下に示す。
第22週:群馬県(8.67)、福井県(8.36)、鹿児島県(8.04)、愛媛県(7.95)、大分県(7.58)
第23週:群馬県(9.25)、鹿児島県(8.69)、三重県(8.67)、愛媛県(8.51)、高知県(8.36)
第24週:三重県(10.91)、石川県(10.59)、鹿児島県(10.41)、群馬県(9.94)、奈良県(8.85)
第25週:‌三重県(16.36)、兵庫県(11.12)、滋賀県(10.36)、鹿児島県(10.02)、石川県/奈良
県(9.38)
第26週:三重県(22.73)、兵庫県(13.42)、鹿児島県(12.80)、香川県(12.75)、埼玉県(12.51)
直近5週間の定点当たり報告数上位5位の都道府県は西日本に多いが、第21週以降、全ての
都道府県から報告がある。
2024年第27週の報告数は35,960例で、性別では男性が54.8%と例年と同様にやや多かった。
年齢群別では1歳が33.1%(11,887例)と最も多く、次に2歳が19.8%(7,116例)であった。なお、
2019~2024年の各年における第1〜27週の累積報告数および報告例の年齢分布を表に示す。
2024年の第27週までの累積報告数における年齢分布は、新型コロナウイルス感染症流行開始

Ministry of Health, Labour and Welfare / National Institute of Infectious Diseases

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