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資料3-2 循環器WG (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00034.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第60回 9/27)《厚生労働省》
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低分子量ヘパリンのひとつであるダルテパリンナトリウム(以下、
「本薬」
)は米国、英国、独国、仏国、加国及び豪州において、
静脈血栓塞栓症を発症した担がん患者に対して皮下投与する薬剤として承認されている。また、欧米の診療ガイドラインにおいて、
静脈血栓塞栓症を発症した担がん患者に対する治療薬の一つとして推奨されている。
しかしながら、本邦では静脈血栓塞栓症に対して既承認の未分画ヘパリン、フォンダパリヌクス、ワルファリン及び直接作用型
経口抗凝固薬(以下、
「DOAC」
)であるエドキサバントシル酸塩水和物に加え、前回要望後に承認されたアピキサバン及びリバー
ロキサバンによる治療が可能であり、最新の欧米の診療ガイドラインにおいて、一般の担がん患者に対しては本薬及び DOAC が
推奨され、本薬が DOAC より優先される旨の記載はない。なお、欧米の一部の診療ガイドラインでは、DOAC 投与時の消化管及
び粘膜での出血リスクに注意が必要である旨(J Clin Oncol 2020; 38: 496-520)、及び消化管がん患者には本薬が推奨される旨(Eur
Heart J 2020; 41: 543-603)の記載があるものの、海外の医療環境で、消化管がん患者又は消化管等からの出血リスクの高い患者に
対して本薬を DOAC に優先して使用することについて、コンセンサスが得られているとまでは言えない。加えて、日本人担がん患
者において要望用法である皮下投与により本薬を投与した際に有効性及び安全性が期待できることを示すエビデンスは前回要望
時と同様に提示されていないことから、国内における有用性を検討するにあたり必要となる国内外の医療環境の違い等に係る情報
が十分ではない。以上より、医療上の有用性は高いとまでは言えず、
「ア」~「ウ」のいずれにも該当しないと判断した。




要望番号Ⅱ-①-123 で本要望と同様の内容が要望されたものの、2015 年 10 月 14 日に開催された第 25 回医療上の必要性の高い未
承認薬・適応外薬検討会議において、適応疾病の重篤性は「ア」
、医療上の有用性は「エ」と判断され、医療上の必要性の基準に該
当しないと考えられる旨報告された。
今般、医療環境に変化があったとして再度要望されたことから、本邦の医療現場におけるニーズについて抗がん剤分野の専門作業
班(以下、抗がん WG)にも確認の上、最新の公表文献、診療ガイドラインの記載等に基づき医療上の有用性について改めて検討
した。
抗がん WG からは以下の意見があった。
担がん患者に発症した静脈血栓塞栓症は基本的には既承認の治療薬での管理が可能である。
既承認の治療薬での管理が困難な患者は非常に限られており、その中で、無症候性の患者については本薬の皮下注製剤よりも
原疾患に対する治療が優先されると考えられることから、本薬の皮下注製剤に対する医療現場におけるニーズが高いとまでは
いえない。

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