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(要望書)食費の基準費用額の見直しにかかる要望 (1 ページ)

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出典情報 食費の基準費用額の見直しにかかる要望(1/8)《全国老人福祉施設協議会》
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全国老施協発第 2221 号

令 和 7 年 1 月 8 日

厚生労働省
黒 田

老健局長
秀 郎


公益社団法人 全国老人福祉施設協議会




大 山

知 子

食費の基準費用額の見直しにかかる要望
令和 6 年度報酬改定において、施設サービスにおける基準費用額(居住費)について

は光熱水費の上昇等を背景に引き上げが行われましたが、食費にかかる基準費用額につ

いては据え置かれたところです。一方、令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(令

和5年 12 月 19 日)においては、
「足下の物価高騰が事業所に様々な影響を及ぼしてい

るとの指摘があることを踏まえ、引き続き、物価高騰が居住費・食費に及ぼす影響を適
切に把握し、必要な対応を行うべきである。」とされています(67 ページ)


これを踏まえて、全国老施協において、物価高騰が食費に及ぼす影響を調査したとこ

ろ、特別養護老人ホームにおける令和6年6月の利用者一人一日あたりの食費は

1,753.8 円(うち給食材料費が 918.7 円、調理員人件費が 835.1 円)であり、令和4年

6月と比較して 91.0 円増加しました。他方、食費に係る基準費用額については、令和
3年8月に、1,445 円に見直されて以来、据え置かれたままの状態です。

食費の利用者負担額については、契約により定める第4段階の利用者一人一日あたり

の平均は 1,533.6 円ですが、調査回答施設の 54.2%が基準費用額と同額の 1,445 円に設
定しており、食費の増加分を価格転嫁することが難しいという実態が判明しました。

この調査結果から平均的規模の特養における月次の給食関連の収支を試算 iしたとこ

ろ、一月あたり▲571,434.6 円の赤字となり、極めて厳しい実態が明らかになりました。
特養では食事介助が必要な方であっても食事を利用者の暮らしの中の大きな楽しみ

として捉え、物価高の中でも満足度を維持したいと工夫を凝らした取組を行っています

が、長引く物価高騰の影響により食事の質や栄養マネジメントへの懸念が生じています。
全国老施協が行った特養に勤務する栄養士に対する調査では、「価格が高騰し食材を

見直さざるを得ない中で、使えなくなった食材が増えて献立の幅が狭まっている」、
「栄

養リスクを危惧する」などの声が寄せられています。また、利用者及びその家族からは、

「パンや麺類、生フルーツが減った」
「肉が固い」
「魚のパサつきや臭みがある」といっ

た、質や量が低下しているとの声もありました。