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Press Release(参考資料)」 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49713.html
出典情報 厚生科学審議会 再生医療等評価部会(第102回 1/24)《厚生労働省》
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る複数の操作が確認された。当所で残余検体を回収し、培養検査を実施したところ、保存
されていた受入時の血液検体からは症例2で P. mexicana が分離され、出荷前無菌試験の検
体からは2症例とも P. mexicana が分離された(表)
。また、症例に投与された特定細胞加
工物の点滴バッグの残液からは、症例1用は P. mexicana と C. taihuense が、症例2用は P.

mexicana が分離された。また、本事例を受け、CPC から外部検査機関に提出されていた
解凍過程で用いた恒温水槽の水の検体を回収し、当所で検査したところ、2症例からの血
液培養分離菌は分離されなかった。調整室(無菌室)を含む試験検査室の他の環境表面か
らは2症例の血液培養で分離された菌は分離されなかった。ただし、調整室については環
境検体採取時にはすでに清掃済みであった。
本事例では CPC で汚染された特定細胞加工物を投与された 2 名が P. mexicana による敗
血症を発症したと考えられた。症例2の検体採取から CPC での受入時の無菌試験までの段
階での P. mexicana の混入と症例1検体との交差汚染の少なくとも 2 回以上の汚染が起こっ
ていたと考えられた。本調査の制限として、実際に行われていた作業工程が十分把握でき
ず、他に汚染があり得た工程があった可能性がある。
同様の症例の発生予防には、CPC における操作毎の手指衛生を中心とした適切な清潔操
作と環境の清掃や消毒の手順書の作成、手順に関する定期的な職員の研修・訓練の確実な
実施、迅速かつ信頼できる無菌試験体制の確立、搬送時の適切な温度管理、治療後の適切
な健康観察、適切な逸脱管理、時に認定再生医療等委員会への迅速な報告、各手順におけ
る適切な記録と保管が重要であると考えられた。
表 国立感染症研究所で実施した自家 NK 細胞療法関連 Pseudoxanthomonas mexicana 敗
血症 2 症例の細菌培養検査や無菌検査の結果
症例1

症例2

細胞培養加工施設(CPC)
菌検出無し

P. mexicana

中間体 品質管理試験

検体回収なし

検体回収なし

出荷前 特定細胞加工物

P. mexicana

P. mexicana

P. mexicana, C. taihuense

P. mexicana

P. mexicana, C. taihuense

P. mexicana

検体受入時 血液

医療機関 A

特定細胞加工物

(投与後点滴バッグ残液)
入院後の血液培養