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議題1 別紙1新規技術(3月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00270.html |
出典情報 | 先進医療会議(第141回 3/6)《厚生労働省》 |
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別紙1
様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称: β2GPI ネオセルフ抗体検査
適応症:不育症
内容:
(先進性)
不育症患者の半数以上は原因不明であり、治療法がわからずに流産、死産を繰り返して
いる。2019~2021 年度に実施された臨床研究(日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患
克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発」)におい
て、β2GPI ネオセルフ抗体が不育症を引き起こす重要な要因である可能性が示唆されて
いる。そこで、本研究では、より大規模な臨床研究において、不育症の患者にβ2GPI ネ
オセルフ抗体検査を実施することの有用性を検証することを目的としている。
(概要)
不育症は不妊症と異なり、妊娠はできるが流産や死産を繰り返し、生児を産むことが
できない病気である。日本では、不育症患者が推計140万人いると考えられており、少
子高齢化が進む日本において克服すべき重要課題である。しかし、不育症患者の半数以
上は原因が不明で、治療法がわからないことが多いのが現状である。
大阪大学微生物病研究所の荒瀬尚教授と神戸大学医学部の谷村憲司特命教授の共同研
究により、脳梗塞のような重要な臓器の血管に血の塊が詰まり生命を脅かす血栓症や、
流産、妊婦の生命を脅かす妊娠高血圧症候群などの病気を引き起こす抗リン脂質抗体症
候群の原因となる全く新しい自己抗体(ネオセルフ抗体)が発見された(Tanimura K,
et al. Blood (2015))
。
不育症とネオセルフ抗体の関係については、2019~2021年度の日本医療研究開発機構
(AMED)成育疾患克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の
研究開発」において、臨床研究が行われた。この臨床研究において、不育症の女性227
人についてネオセルフ抗体を測定した結果、52人(23%)の患者で陽性となった。不育
症におけるネオセルフ抗体陽性の頻度は、不育症の原因を調べた他の検査(子宮形態異
常、甲状腺機能異常、カップルいずれかの染色体異常など)の中で最も高く、ネオセル
フ抗体が不育症を起こす重要な原因になっている可能性が示唆された。また、この227
人の不育症患者のうち、既存の不育症検査では原因が判明しなかった患者は121人お
り、このうち24人(20%)がネオセルフ抗体のみが陽性となった。この臨床研究は、
Tanimura K, et al. Arthritis & Rheumatology (2020)、 Tanimura K, et al. Int J
Mol Sci (2023) において報告されている
今回、β2GPIネオセルフ抗体の保険収載を目指して、β2GPIネオセルフ抗体の有効性
を示すことを目的とした多機関共同臨床研究を、先進医療制度(先進医療A)として実
施することとした。
(効果)
本研究は、原因不明の不育症患者の原因解明に寄与する可能性がある。本研究によって、
β2GPI ネオセルフ抗体が不育症を起こす要因であることを示すことができれば、これま
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様式第5号
先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称: β2GPI ネオセルフ抗体検査
適応症:不育症
内容:
(先進性)
不育症患者の半数以上は原因不明であり、治療法がわからずに流産、死産を繰り返して
いる。2019~2021 年度に実施された臨床研究(日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患
克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発」)におい
て、β2GPI ネオセルフ抗体が不育症を引き起こす重要な要因である可能性が示唆されて
いる。そこで、本研究では、より大規模な臨床研究において、不育症の患者にβ2GPI ネ
オセルフ抗体検査を実施することの有用性を検証することを目的としている。
(概要)
不育症は不妊症と異なり、妊娠はできるが流産や死産を繰り返し、生児を産むことが
できない病気である。日本では、不育症患者が推計140万人いると考えられており、少
子高齢化が進む日本において克服すべき重要課題である。しかし、不育症患者の半数以
上は原因が不明で、治療法がわからないことが多いのが現状である。
大阪大学微生物病研究所の荒瀬尚教授と神戸大学医学部の谷村憲司特命教授の共同研
究により、脳梗塞のような重要な臓器の血管に血の塊が詰まり生命を脅かす血栓症や、
流産、妊婦の生命を脅かす妊娠高血圧症候群などの病気を引き起こす抗リン脂質抗体症
候群の原因となる全く新しい自己抗体(ネオセルフ抗体)が発見された(Tanimura K,
et al. Blood (2015))
。
不育症とネオセルフ抗体の関係については、2019~2021年度の日本医療研究開発機構
(AMED)成育疾患克服等総合研究事業「不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の
研究開発」において、臨床研究が行われた。この臨床研究において、不育症の女性227
人についてネオセルフ抗体を測定した結果、52人(23%)の患者で陽性となった。不育
症におけるネオセルフ抗体陽性の頻度は、不育症の原因を調べた他の検査(子宮形態異
常、甲状腺機能異常、カップルいずれかの染色体異常など)の中で最も高く、ネオセル
フ抗体が不育症を起こす重要な原因になっている可能性が示唆された。また、この227
人の不育症患者のうち、既存の不育症検査では原因が判明しなかった患者は121人お
り、このうち24人(20%)がネオセルフ抗体のみが陽性となった。この臨床研究は、
Tanimura K, et al. Arthritis & Rheumatology (2020)、 Tanimura K, et al. Int J
Mol Sci (2023) において報告されている
今回、β2GPIネオセルフ抗体の保険収載を目指して、β2GPIネオセルフ抗体の有効性
を示すことを目的とした多機関共同臨床研究を、先進医療制度(先進医療A)として実
施することとした。
(効果)
本研究は、原因不明の不育症患者の原因解明に寄与する可能性がある。本研究によって、
β2GPI ネオセルフ抗体が不育症を起こす要因であることを示すことができれば、これま
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