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資料3-3 西浦先生提出資料 (174 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html
出典情報 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第83回 5/11)《厚生労働省》
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オミクロン株感染と小児急性肝炎の関連に
ついて(Cont’)
【目的】 オミクロン株による高い疫学的負荷と小児の重症肝炎との関連を明らかにすること
【方法】 研究デザイン:Ecological study (Ecological correlationの検討)
対象:OECD加盟国(38か国)とルーマニアの計39か国
観察データ1)オミクロン株による累積感染者数(2021年12月1日から2022年4月27日)、(2)
WHOのProbable case定義に従う小児重症肝炎の報告の有無(2022年4月27日WHO把握時点)
分析:小児重症肝炎の報告有無別のオミクロン株累積感染者数の分布の比較(F検定に引き続く
Student t検定あるいはWelch ANOVA)
【結果概要】 39か国中、12か国(30.8%)で小児肝炎の報告があり、それらの国のオミクロン株
の累積患者数は4.4-11.9×106人。他方、残りの27か国では0.5-5.5×106人と少なく、小児肝炎を
報告した国のほうが多数のオミクロン株患者を報告する傾向があった(p=0.013; 次ページ図)。
【考察】 小児重症肝炎が報告される国ではオミクロン株感染者が多い傾向がある。2者の間の
関係を示唆しており、Cofactor studyの実施などが求められる。
Ecological studyであり交絡に弱い。例えば、接触の制御(社会的距離の確保や屋内のマスク着
用)が交絡になり得る:制御がDowngradeされた国ではCOVID-19だけでなくてアデノウイルス流行
も起こりやすい。限界点:小児データでなく人口全体の累積患者数のみが比較に用いられている
新型コロナウイルス感染症と小児急性肝炎との因果関係の立証については、さらなる研究が
不可欠である。ただし、以上を勘案すると、オミクロン株の感染が小児の重症肝炎の発生過程に
関与している可能性は否めず、小児急性肝炎の予防のためにもオミクロン株の流行制御(小児
の感染予防に限らず流行自体の予防を考えること)を慎重に検討することが望ましい。
Nishiura H, Jung S-M, Hayashi K. Int J Infect Dis 2022; in press

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