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資料5 罹患後症状に関する研究 (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00348.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第86回 6/1)《厚生労働省》 |
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厚生労働科学特別研究事業
課題名:COVID-19後遺障害に関する
実態調査(中等症以上対象)
総括研究報告
第86回(令和4年6月1日)
新型コロナウイルス感染症対策
アドバイザリーボード
資料5
事務局提出資料
研究代表者:日本呼吸器学会/高知大学教授 横山彰仁 研究分担者:陳和夫、高松和史、金子猛、小倉髙志、迎寛、野出孝一
研究目的:呼吸器感染症であるCOVID-19については、未だ回復後の経過については不明点が多い。本研究では、本国における中等症以上の
COVID-19の、特に呼吸器関連における他覚・自覚症状の遷延(いわゆる後遺症)の実態とバイオマーカーなどの予測因子を検討する。
分担研究として心疾患の影響(潜在性/顕性心筋炎)についても検討した。
対
象:2020年9月~2021年9月にCOVID-19で入院した中等症以上の患者、20歳以上で同意が得られた患者
調査施設:全国の55施設
方
法:退院後3か月後に受診し、医師の問診(罹患後症状)、アンケート(睡眠、不安・抑鬱、QOL)、肺機能検査、胸部CTを施行した。
罹患後症状が残る場合はさらに3か月後に受診し、最長12か月間フォローした。
登録期間:2020年9月~2021年9月
※1
患者背景(n=1003) *分担研究:n=31
年齢:61.9±13.6
性別:男性/女性 668/261
重症度:中等症Ⅰ 282(27.1%)
中等症Ⅱ 577(55.4%)
重症
182(17.5%)
BMI:25.3±4.54
基礎疾患:高血圧 391例、糖尿病 232
例、脂質異常症 213例、心血管疾患
110例、呼吸器疾患(喘息、COPD)
119例
※1 未入力の場合は欠損データとして扱う
(%)
60
CT異常を認める割合
(%)
60
(主治医判定)
22.9
11.8
20
n
602 526
40
※3
3か月後
6か月後
9か月後
12か月後
30
20
10
9.27
6
4.9
10.1
506
※2 治癒過程などの所見も含む
主な罹患後症状の推移(n=756)
50
%DLCO/VA
6.3
3か月後
%FVC
入院時
842
5.3
4.6
重症度別の肺機能 (3ヶ月後)
%DLCO
48.9
40
0
※2
5
0
※3 症状を認めない症例では、次回受診以降で問診を行わない場合がある
中等症 I
95±26
中等症 II
91±25
重症
80±24
中等症 I
92±21
中等症 II
94±20
重症
91±18
中等症 I
111±86
中等症 II
100±16
重症
94±19
(mean±SD)
中等症Ⅰ 肺炎像あり, 中等症Ⅱ 酸素投与
必要,重症 ICU入室or人工呼吸器使用
(%)
対予測値80%未満の割合の推移
40
%DLCO
30
%DLCO/VA
%FVC
20
10
0
n
3か月後
772
6か月後
583
9か月後 12か月後
474
395
DLCO:肺拡散能, VA:肺胞換気量, FVC:努力肺活量
・肺CT画像所見:3ヶ月の時点で画像所見は遷延することが多かったが、12か月の時点で
6.3%まで低下していた。胸部CT異常(主治医判定)がある群は無い群と比べて、呼吸困難
や筋力低下の割合が多く、肺拡散能も低下していた。
・肺機能:肺機能低下の遷延程度は重症度に依存、肺拡散能が障害されやすかった。
・自覚症状:筋力低下、呼吸困難、倦怠感の順に多く、時間経過に伴って頻度は低下した。
罹患後症状のうち、筋力低下と息苦しさは明確に重症度に依存していた。
・心臓への影響(対象 31例※4 ):退院3ヶ月後に心臓MRIで評価したところ、42%で心障害
を認め、26%で心筋炎の基準を満たした。また、左室心筋の短軸方向の収縮が有意に低下
※4 入院時または3ヶ月後に、心臓に関する血液検査(高感度トロポニン等)の異常を認めた症例に対象は限定
していた。
・リスク因子についての検討:3か月後の呼吸器系罹患後症状について、多変量解析で検討し
たところ、重症度と既存の呼吸器疾患が独立した因子であった。肺機能検査異常に関しては年
齢、重症度、バイオマーカーであるセレクチンリガンドを有するKL-6(SLAK)が寄与していた。
・まとめ:退院後12か月の時点で、何らかの罹患後症状は13.6%、肺機能検査異常は
7.1%、胸部CT検査異常は6.3%で残存していた。
課題名:COVID-19後遺障害に関する
実態調査(中等症以上対象)
総括研究報告
第86回(令和4年6月1日)
新型コロナウイルス感染症対策
アドバイザリーボード
資料5
事務局提出資料
研究代表者:日本呼吸器学会/高知大学教授 横山彰仁 研究分担者:陳和夫、高松和史、金子猛、小倉髙志、迎寛、野出孝一
研究目的:呼吸器感染症であるCOVID-19については、未だ回復後の経過については不明点が多い。本研究では、本国における中等症以上の
COVID-19の、特に呼吸器関連における他覚・自覚症状の遷延(いわゆる後遺症)の実態とバイオマーカーなどの予測因子を検討する。
分担研究として心疾患の影響(潜在性/顕性心筋炎)についても検討した。
対
象:2020年9月~2021年9月にCOVID-19で入院した中等症以上の患者、20歳以上で同意が得られた患者
調査施設:全国の55施設
方
法:退院後3か月後に受診し、医師の問診(罹患後症状)、アンケート(睡眠、不安・抑鬱、QOL)、肺機能検査、胸部CTを施行した。
罹患後症状が残る場合はさらに3か月後に受診し、最長12か月間フォローした。
登録期間:2020年9月~2021年9月
※1
患者背景(n=1003) *分担研究:n=31
年齢:61.9±13.6
性別:男性/女性 668/261
重症度:中等症Ⅰ 282(27.1%)
中等症Ⅱ 577(55.4%)
重症
182(17.5%)
BMI:25.3±4.54
基礎疾患:高血圧 391例、糖尿病 232
例、脂質異常症 213例、心血管疾患
110例、呼吸器疾患(喘息、COPD)
119例
※1 未入力の場合は欠損データとして扱う
(%)
60
CT異常を認める割合
(%)
60
(主治医判定)
22.9
11.8
20
n
602 526
40
※3
3か月後
6か月後
9か月後
12か月後
30
20
10
9.27
6
4.9
10.1
506
※2 治癒過程などの所見も含む
主な罹患後症状の推移(n=756)
50
%DLCO/VA
6.3
3か月後
%FVC
入院時
842
5.3
4.6
重症度別の肺機能 (3ヶ月後)
%DLCO
48.9
40
0
※2
5
0
※3 症状を認めない症例では、次回受診以降で問診を行わない場合がある
中等症 I
95±26
中等症 II
91±25
重症
80±24
中等症 I
92±21
中等症 II
94±20
重症
91±18
中等症 I
111±86
中等症 II
100±16
重症
94±19
(mean±SD)
中等症Ⅰ 肺炎像あり, 中等症Ⅱ 酸素投与
必要,重症 ICU入室or人工呼吸器使用
(%)
対予測値80%未満の割合の推移
40
%DLCO
30
%DLCO/VA
%FVC
20
10
0
n
3か月後
772
6か月後
583
9か月後 12か月後
474
395
DLCO:肺拡散能, VA:肺胞換気量, FVC:努力肺活量
・肺CT画像所見:3ヶ月の時点で画像所見は遷延することが多かったが、12か月の時点で
6.3%まで低下していた。胸部CT異常(主治医判定)がある群は無い群と比べて、呼吸困難
や筋力低下の割合が多く、肺拡散能も低下していた。
・肺機能:肺機能低下の遷延程度は重症度に依存、肺拡散能が障害されやすかった。
・自覚症状:筋力低下、呼吸困難、倦怠感の順に多く、時間経過に伴って頻度は低下した。
罹患後症状のうち、筋力低下と息苦しさは明確に重症度に依存していた。
・心臓への影響(対象 31例※4 ):退院3ヶ月後に心臓MRIで評価したところ、42%で心障害
を認め、26%で心筋炎の基準を満たした。また、左室心筋の短軸方向の収縮が有意に低下
※4 入院時または3ヶ月後に、心臓に関する血液検査(高感度トロポニン等)の異常を認めた症例に対象は限定
していた。
・リスク因子についての検討:3か月後の呼吸器系罹患後症状について、多変量解析で検討し
たところ、重症度と既存の呼吸器疾患が独立した因子であった。肺機能検査異常に関しては年
齢、重症度、バイオマーカーであるセレクチンリガンドを有するKL-6(SLAK)が寄与していた。
・まとめ:退院後12か月の時点で、何らかの罹患後症状は13.6%、肺機能検査異常は
7.1%、胸部CT検査異常は6.3%で残存していた。