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別紙2○【先進医療会議】新規技術(9月受理分)の先進医療A又は先進医療Bへの振り分けについて(案) (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00050.html
出典情報 先進医療会議(第114回先進医療会議、第138回先進医療技術審査部会 9/8)《厚生労働省》
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別紙2-1
様式第5号

先進医療の内容 (概要)
先進医療の名称:前核期人為的透明帯除去法
適応症:胚移植を受ける不妊症患者(初期分割不良を伴い、これまでに反復して着床・妊娠に至
らないものに限る)
内容:
(先進性)
1978 年 7 月に英国にて世界で初めて体外受精児が誕生し、これまで体外受精における体外培養
環境は、体内環境に近づける努力がなされてきた。しかしながら、従来の通常培養法では、初期
分割不良に伴う反復 ART 不成功症例が存在し苦慮してきた。そんな中、我々は、分割前の前核期
に、透明帯を除去することで、分割状態が改善し、初期分割時の良好胚率の上昇、胚盤胞到達率
の上昇を確認した。さらに、初期分割不良に伴う反復 ART 不成功症例において、前核期に人為的
透明帯除去を実施し、得られた胚盤胞移植により世界で初めて妊娠出産を経験した。
(概要)
1)対象:初期分割不良に伴う反復 ART 不成功症例
2)各症例への実施:
ZP-free 法予定の治療周期では、IVF もしくは ICSI にて得られた正常受精胚(前核期)を、事前
に作成したオイル被覆下の 0.125M〜0.167M シュークロースドロップ内に浸漬(約 10 秒)して卵
細胞質を軽度収縮させ、透明帯と細胞膜の癒着の程度を記録する。その後、これらの胚の半数で
は、レーザー照射により透明帯の 1/2〜1/3 を切除・開孔し、バイオプシーピペットを用いて、
透明帯と細胞膜の間隙に培養液を吹きかけ、透明帯外に前核期胚を排出し、ZP-free 胚を作成す
る。また、残りの半数は、コントロールとして、透明帯はそのままの状態(ZP-intact 胚)とし、
ZP-free 胚と共に Time-lapse 機能搭載型培養器にて胚盤胞まで培養し、新鮮胚盤胞移植もしく
は凍結保存を実施する。移植から 2 週間後に妊娠判定を行う。
3)分析結果の評価:
有意水準が 5%とし、α エラーを起こす可能性が 5%未満であれば有意差ありとみなすと設定
します。サンプルサイズの設定は EZR ソフトで計算しました。通常 P 値は帰無仮説が正しい場合
に、実際に観察された、あるいはそれ以上の 2 群の差が観察される確率なので、基礎検討におけ
る値を参考に計算すると、ZP-intact 群の胚盤胞到達率を仮に 16%、ZP-free の胚盤胞到達率を
30%と見積もって、αエラー0.05、検出力 0.8、採卵で得られた 2 個以上の正常受精卵を両群に
1:1 で割りつけたとすると、それぞれの必要なサンプル数は 155 症例となります。ZP-free 群で
得られた胚と、ZP-intact 群で得られた胚とで、良好胚率、胚盤胞到達率、有効利用率(胚移植、
凍結胚の割合)
、臨床妊娠率等についてカイ二乗検定を用いて、統計学的な比較検討を行う。
(効果)
臨床的妊娠率の上昇、培養成績の向上、着床率・生産率の上昇
(先進医療にかかる費用)
3 万円

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