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資料2-1 年後半のマクロ経済運営の課題(有識者議員提出資料) (1 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0914/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第11回 9/14)《内閣府》
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資料2-1
年後半のマクロ経済運営の課題
2022 年 9 月 14 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
年後半のマクロ経済運営の課題は、的を絞った物価高対策を切れ目なく行うとともに、欧米各国
で進む金融引き締めによる世界経済の減速リスクを十分視野に入れ、我が国の国内経済をより強
靱でダイナミックなものに変革することである。カギとなるのは「新しい資本主義」を目指した官民
の適切な連携による課題解決型重点投資であり、コロナ禍で停滞した投資や労働移動の促進によ
る生産性向上と持続的な賃金・所得の上昇である。これらは現下の物価上昇や海外への所得流
出に対する本質的な対応策ともなる。
1.投資と雇用を動かす政策運営を
 企業の投資意欲は高まっている1。この機を活かし、秋にまとめる総合経済対策は、骨太方針
2022や新しい資本主義に向けたグランドデザイン・実行計画で示した官民連携の重点投資
を前に進める具体的な政策パッケージを含め、世界経済の減速懸念が強まる2023年に向
けた早期の成長力強化に資するものとすべき。
 一方、我が国はコロナ禍からの生産性の回復に遅れ。緊急時の雇用維持や倒産防止など経
済を守る政策から、経済を動かして生産性を高める政策に政策資源を重点化すべき。
 このため、雇用調整助成金の特例措置を縮減し、成長分野への労働移動やスキルアップを促
す施策に重点化すべき。資金繰り支援についても、実質無利子・無担保融資といった緊急措
置から中小企業の収益力向上に政策資源をシフトすべき。
 賃上げできるマクロ環境整備とともに労働移動を通じた賃金・所得の増加を目指すべき2。「人
への投資」を税制も含めた政策面で大胆に支援するとともに、人材投資に積極的な企業には
負担減等のインセンティブ、逆に消極的な企業にはディスインセンティブも辞さないなど政府
は賃上げ促進に向けた明確な意思表示をすべき。
 また、スキルアップ支援と併せ、兼業・副業、転職など個々人の能力を最適な場所で最大限発
揮できるステップアップを支援すべき。人材投資に関する情報開示など企業間の競争インセ
ンティブを与える施策を推進すべき。
 兼業・副業については、リモートワークや地方への関心、スタートアップとの親和性(パートタ
イムアントレプレナーや出向起業)など様々な好循環を生む可能性。本年7月改定の「副業・
兼業の促進に関するガイドライン」に沿って副業条件などの情報開示を進め、働き手の関心と
企業側の懸念のミスマッチを解消し、兼業・副業を成長分野への労働移動の契機とすべき。
2.長期目標と整合的な物価高対応
 物価上昇への対応については、エネルギーと食料品に集中した対応を行い、負担の相対的
に大きな低所得者を支援すべき。

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今年度投資計画について、日銀短観では前年比 13.1%増、大企業対象の日本政策投資銀行調査では 26.8%増。
50 歳未満転職者の7割が賃金前職と同等以上(厚労省「雇用動向調査」)。転職決定者の3割以上が前職に比べて
10%以上賃金が増加(リクルート「転職時の賃金変動状況」(2022 年 8 月))。
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