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資料1-1 総合経済対策の策定に向けて~経済効果を最大限発揮するために~(有識者議員提出資料) (1 ページ)
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公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/1005/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和4年第12回 10/5)《内閣府》 |
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資料1-1
総合経済対策の策定に向けて
~経済効果を最大限発揮するために~
2022 年 10 月 5 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
日本経済を取り巻く環境は厳しさを増している。物価上昇による実質所得減、原料コスト高騰に
よる収益圧迫、欧米の金融引き締めによる世界経済の減速など、本年から来年にかけて、我が国
経済には大きな下押し圧力がかかることが想定される。
今回取りまとめる経済対策は、こうした下押し圧力を乗り越え、日本経済を持続可能で一段高い
成長経路に乗せるための予算、税制、規制・制度改革を大胆に進める総合的な政策パッケージと
すべきである。
1.物価上昇への対応、更なる賃上げに向けたマクロ環境整備
食料品・エネルギー価格高騰への機動的な対応とともに、物価上昇に負けない継続的な賃金
上昇が不可欠。本年の賃上げ率(連合集計 2.07%)を更に上回る賃金増加が可能となるよう、
政府は今年度から来年度にかけて、実質2%~2%台半ばの経済成長率を目指したマクロ経
済運営を行うべき1。総合経済対策はそのためのブースターとすべき。
こうした成長を実現すれば、結果としてマクロ的な需要不足(GDPギャップ2)も今年から来年
にかけて相当程度縮小する。国内経済に内在するデフレ圧力は弱まり、世界経済が減速する
中にあっても、適正な価格転嫁と更なる賃上げの好循環が生まれやすくなる。
今回の経済対策では、こうしたマクロ環境の実現に向け、物価高で厳しい状況にある方々へ
の的を絞った対応を行うとともに、円安メリットを生かした地域活性化と「稼ぐ力」の向上、重点
投資分野(人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX・DX)を中心に官の投資
を呼び水にした民間需要の更なる誘発など、予算だけでなく税制や規制・制度改革を総合的
に行う官民連携の成長促進対策とすべき。
2.賃金の継続的な上昇
賃上げ環境の整備については、我が国雇用の7割が中小企業にあることを踏まえ、中小企業
が適正に価格転嫁できる企業間パートナーシップの構築、販路拡大・新分野への挑戦など収
益向上に向けた投資環境の整備を行うべき。あわせて、政策的な支援を行う際には賃上げの
実施を採択の条件とするなどメリハリの効いたインセンティブ付けをすべき。
最低賃金については、今年度の 961 円(全国加重平均)ができる限り早期に 1,000 円以上とな
るよう政策支援を行うとともに、その後も、最低賃金の引上げが良質の雇用を生み、地域にお
ける雇用と賃金の好循環につながる更なる高みを目指したロードマップを検討すべき。
看護・介護・保育など現場で働く方々の処遇改善に向けた取組、同一労働同一賃金制度の徹
底等を通じ、正規・非正規、男女間の賃金格差を是正し、賃金底上げを進めるべき。
1
2
内閣府年央試算(2022 年 7 月)の実質経済成長率は 2022 年度 2.0%、2023 年度 1.1%(新たな経済対策含まず)。
2022 年 4-6 月期時点:年率換算 15 兆円程度(内閣府推計)。
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総合経済対策の策定に向けて
~経済効果を最大限発揮するために~
2022 年 10 月 5 日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
日本経済を取り巻く環境は厳しさを増している。物価上昇による実質所得減、原料コスト高騰に
よる収益圧迫、欧米の金融引き締めによる世界経済の減速など、本年から来年にかけて、我が国
経済には大きな下押し圧力がかかることが想定される。
今回取りまとめる経済対策は、こうした下押し圧力を乗り越え、日本経済を持続可能で一段高い
成長経路に乗せるための予算、税制、規制・制度改革を大胆に進める総合的な政策パッケージと
すべきである。
1.物価上昇への対応、更なる賃上げに向けたマクロ環境整備
食料品・エネルギー価格高騰への機動的な対応とともに、物価上昇に負けない継続的な賃金
上昇が不可欠。本年の賃上げ率(連合集計 2.07%)を更に上回る賃金増加が可能となるよう、
政府は今年度から来年度にかけて、実質2%~2%台半ばの経済成長率を目指したマクロ経
済運営を行うべき1。総合経済対策はそのためのブースターとすべき。
こうした成長を実現すれば、結果としてマクロ的な需要不足(GDPギャップ2)も今年から来年
にかけて相当程度縮小する。国内経済に内在するデフレ圧力は弱まり、世界経済が減速する
中にあっても、適正な価格転嫁と更なる賃上げの好循環が生まれやすくなる。
今回の経済対策では、こうしたマクロ環境の実現に向け、物価高で厳しい状況にある方々へ
の的を絞った対応を行うとともに、円安メリットを生かした地域活性化と「稼ぐ力」の向上、重点
投資分野(人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX・DX)を中心に官の投資
を呼び水にした民間需要の更なる誘発など、予算だけでなく税制や規制・制度改革を総合的
に行う官民連携の成長促進対策とすべき。
2.賃金の継続的な上昇
賃上げ環境の整備については、我が国雇用の7割が中小企業にあることを踏まえ、中小企業
が適正に価格転嫁できる企業間パートナーシップの構築、販路拡大・新分野への挑戦など収
益向上に向けた投資環境の整備を行うべき。あわせて、政策的な支援を行う際には賃上げの
実施を採択の条件とするなどメリハリの効いたインセンティブ付けをすべき。
最低賃金については、今年度の 961 円(全国加重平均)ができる限り早期に 1,000 円以上とな
るよう政策支援を行うとともに、その後も、最低賃金の引上げが良質の雇用を生み、地域にお
ける雇用と賃金の好循環につながる更なる高みを目指したロードマップを検討すべき。
看護・介護・保育など現場で働く方々の処遇改善に向けた取組、同一労働同一賃金制度の徹
底等を通じ、正規・非正規、男女間の賃金格差を是正し、賃金底上げを進めるべき。
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内閣府年央試算(2022 年 7 月)の実質経済成長率は 2022 年度 2.0%、2023 年度 1.1%(新たな経済対策含まず)。
2022 年 4-6 月期時点:年率換算 15 兆円程度(内閣府推計)。
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