よむ、つかう、まなぶ。
資料6-1 防衛力と経済基盤の一体強化に向けた防衛政策の方向性(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/1102/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和4年第13回 11/2)《内閣府》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
資料6-1
防衛力と経済基盤の一体強化に向けた防衛政策の方向性
2022年11月2日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
安全保障環境が急速に厳しさを増す中、防衛力強化に向けた検討が進められているが、防
衛費については、人件費やエネルギー購入費など、再生産というよりも毎年費消するものを多
く含む点、人材育成や装備品調達においても、一時的な支出増では対応できず、計画的な取組
が不可欠といった点に特徴がある。また、装備品や技術の調達については、同盟国・友好国の
協力は得つつも、自国で揃える能力を高めることが重要とされている。
こうした性質を持つ防衛費の増強に当たっては、財政の持続可能性が防衛力の重要な基盤
であることを鑑み、効果的・効率的な財政の使い方を徹底するとともに、防衛装備・技術の充実
が我が国の民間活力の拡大にも相互に波及していくよう取組を推進することが重要である。こ
うした認識の下、経済安全保障の観点も含め、以下提言する。
1.防衛力強化に向けて踏まえるべき基本的方向性
防衛力の強化に向けては、脅威に対する十分な抑止力を得るに当たり、以下の点を基本的
な方向性と位置づけるべき。
歳出の十分な効率化・合理化を図る。費用対効果の高い装備品・研究開発等を優先する。
防衛装備・技術の充実と民間の産業基盤・国際競争力の強化が互いにWIN・WINの関係
になるように事業を展開する。
防衛力強化と中長期的な財政健全化の方針との両立を目指し、財政への信認確保1等も含
めた総合的な国力の増進を図る。
安全保障環境や諸外国の防衛政策等を分かりやすく示し、国民の理解を醸成する。
2.防衛力強化の総合的な対応と防衛費の在り方
今後の防衛力強化には、経済基盤の強靭化も含めた総合的な対応が必要となる。このため、
研究開発やインフラの分野でデュアルユース2の拡大を図るとともに、省庁の縦割りを排して政
策資源を有効に活用すべき。
研究開発について、CSTIや防衛省、大学、国立研究開発法人などの研究機関等が連携し、
デュアルユースの可能性を排除することなく研究活動を推進するとともに、その研究成果に
ついてデュアルユースとしての利用可能性をチェックするといった仕組みに変えていくべき。
インフラについて、例えば、有事の際に自衛隊等が使用する可能性のある民間の空港・港
湾施設等について、平時から国土交通省と防衛省とが共同して整備を進め、活用すること
ができるよう、連携の枠組みを構築すべき。
政策資源を最大限有効活用するため、防衛省の予算だけではなく、実質的に我が国の防
衛力に資する取組を省庁横断的に精査し、一体的に取り扱うべき。
1
2
英国では、本年9月に打ち出された成長戦略が過度に財政を弛緩させるものとの市場の評価を受け、金利の急激な上昇に直面
した。さらに、こうした債券安に、通貨や株価の下落も加わり、いわゆるトリプル安の状態に陥るなど、経済に混乱が生じた。
民生と防衛の両方の用途で利用すること。
1
防衛力と経済基盤の一体強化に向けた防衛政策の方向性
2022年11月2日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
安全保障環境が急速に厳しさを増す中、防衛力強化に向けた検討が進められているが、防
衛費については、人件費やエネルギー購入費など、再生産というよりも毎年費消するものを多
く含む点、人材育成や装備品調達においても、一時的な支出増では対応できず、計画的な取組
が不可欠といった点に特徴がある。また、装備品や技術の調達については、同盟国・友好国の
協力は得つつも、自国で揃える能力を高めることが重要とされている。
こうした性質を持つ防衛費の増強に当たっては、財政の持続可能性が防衛力の重要な基盤
であることを鑑み、効果的・効率的な財政の使い方を徹底するとともに、防衛装備・技術の充実
が我が国の民間活力の拡大にも相互に波及していくよう取組を推進することが重要である。こ
うした認識の下、経済安全保障の観点も含め、以下提言する。
1.防衛力強化に向けて踏まえるべき基本的方向性
防衛力の強化に向けては、脅威に対する十分な抑止力を得るに当たり、以下の点を基本的
な方向性と位置づけるべき。
歳出の十分な効率化・合理化を図る。費用対効果の高い装備品・研究開発等を優先する。
防衛装備・技術の充実と民間の産業基盤・国際競争力の強化が互いにWIN・WINの関係
になるように事業を展開する。
防衛力強化と中長期的な財政健全化の方針との両立を目指し、財政への信認確保1等も含
めた総合的な国力の増進を図る。
安全保障環境や諸外国の防衛政策等を分かりやすく示し、国民の理解を醸成する。
2.防衛力強化の総合的な対応と防衛費の在り方
今後の防衛力強化には、経済基盤の強靭化も含めた総合的な対応が必要となる。このため、
研究開発やインフラの分野でデュアルユース2の拡大を図るとともに、省庁の縦割りを排して政
策資源を有効に活用すべき。
研究開発について、CSTIや防衛省、大学、国立研究開発法人などの研究機関等が連携し、
デュアルユースの可能性を排除することなく研究活動を推進するとともに、その研究成果に
ついてデュアルユースとしての利用可能性をチェックするといった仕組みに変えていくべき。
インフラについて、例えば、有事の際に自衛隊等が使用する可能性のある民間の空港・港
湾施設等について、平時から国土交通省と防衛省とが共同して整備を進め、活用すること
ができるよう、連携の枠組みを構築すべき。
政策資源を最大限有効活用するため、防衛省の予算だけではなく、実質的に我が国の防
衛力に資する取組を省庁横断的に精査し、一体的に取り扱うべき。
1
2
英国では、本年9月に打ち出された成長戦略が過度に財政を弛緩させるものとの市場の評価を受け、金利の急激な上昇に直面
した。さらに、こうした債券安に、通貨や株価の下落も加わり、いわゆるトリプル安の状態に陥るなど、経済に混乱が生じた。
民生と防衛の両方の用途で利用すること。
1