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薬-1○ 令和5年度薬価改定について(有識者検討会における議論の状況について) (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212451_00052.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第190回 11/9)《厚生労働省》
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検討会における主な意見①
全体的課題


医療費の伸びには医療の高度化や人口構造の変化などの実態的理由が存在しており、完全に予算統制下に置くという政策目標は非
現実的ではないか。



薬価問題を医療保険又は医療費政策の観点からのみ議論することは、医薬品や医薬品産業が経済や社会にもたらす付加価値を損ね、
国民に大きな不利益をもたらす。薬価制度は、科学技術政策、産業政策、医療政策的視点から考える必要がある。



医薬品市場の将来予測では、先進10カ国中、日本だけがマイナス又は横ばいの成長となっている。薬剤費の総額を伸ばしていくこ
とが必要。革新的な医薬品の開発に対する投資を促すためにも、経済成長率以上の伸びは確保するべきではないか。

革新的な医薬品の迅速な導入について
【企業の予見性を確保することが困難な制度】

諸外国と比べて特許期間中にもかかわらず新薬の薬価が早期に下落していく状況は、市場の魅力度の観点から他国に見劣りし、開
発における日本の優先順位にも悪影響を与えている。また、研究開発投資を十分に回収できない状況になりつつある。


市場拡大再算定は再算定対象品目の類似薬も道連れとなる仕組みがあるが、これは不合理であり、予見性も欠いている。また、不
透明かつ複雑な薬価算定ルールや頻回のルール変更が制度を不確実にしており、経営や投資計画が立てられないのではないか。

【欧米に比べ低い薬価が算定される可能性がある制度】

場合によっては欧米主要国と比較して著しく低い薬価となることが課題。現在の原価計算方式による価格算定は、適切にイノベー
ションが評価されているとは言いがたく、より多様な価値を評価する算定方式が必要ではないか。
【先発企業のビジネスモデル上の課題】

先発企業は新薬の研究開発に重点化すべきであるが、後発品の使用促進が進んだ現状においても、長期収載品による収益に依存し
たビジネスモデルから脱却しきれていないのではないか。


近年、欧米で開発される新薬の多くはアカデミアやベンチャー企業がシーズを創出し、実用化につなげるエコシステムが確立して
いるが、日本では創薬ベンチャー企業が十分には育っておらず、長期的な育成、支援が必要である。
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