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○先進医療Bの総括報告書に関する評価について 先-4-2 (1 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00041.html
出典情報 先進医療会議(第107回 2/4)《厚生労働省》
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令和4年1月 13 日

「周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法(告示旧17)」の総括報告書に
関する評価について
先進医療技術審査部会
座長 山口

俊晴

大阪大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審査
部会で評価を行い、その結果を以下のとおりとりまとめたので報告いたします。
1.先進医療の概要及び申請医療機関からの報告の概要
先進医療の名称:
周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法
適応症等:
非小細胞肺がん(CT撮影により非浸潤がんと診断されたものを除く。)
医療技術の概要:
非小細胞肺癌完全切除例に対する手術療法はすでに確立された治療法であるが、根治
術を施行できても約半数に再発を認めているのが現状である。周術期に転移再発抑制を
講じる治療法は未だ確立されていない。本試験では、非小細胞肺がん患者を対象にカル
ペリチド(ハンプ)を手術2時間以上前から72時間を目標に持続静脈内投与を行うランダ
ム化比較試験を行い、肺癌手術の術後再発抑制としてのハンプの有効性と安全性を検証
する。
主要評価項目:術後2年無再発生存期間
副次評価項目:術後合併症発生率(有害事象)、肺癌特異的術後2年無再発期間、術後5
年無再発生存期間、全生存期間、治療完遂割合
臨床研究登録ID : jRCTs051180052
医療技術の試験結果:
[安全性の評価結果]
試験治療未実施5例を除く330例が安全性解析対象集団であった。ハンプ投与群(A群)
165例と手術単独群(B群)165例で、術後合併症発生(率)はA群87例(52.7%)、B群28
例(17%)に認められた。心血管合併症{A群11例(6.7%)、B群6例(3.6%)}、呼吸器
合併症の発生率{A群9例(5.5%)、B群8例(4.8%)}に大きな差を認めず、その他の合
併症{A群80例(48.5%)、B群17例(10.3%)}はA群で統計学的有意に多かった。A群で
生じたその他の合併症80例のうちハンプによる合併症は、69例が血圧低下、5例がその他
であり、ハンプによる血圧低下がA群における有害事象発生率に影響した。術後30日以内
の重篤な有害事象として23例が報告され、独立安全性モニタリング委員会においてハン
プ投与群(A群)で発生した重篤な有害事象を審議した結果、ハンプ投与との因果関係を
完全に否定はできないと判断された事象は4例4件(低血圧性ショック1例1件、脳梗塞3
例3件)であった。

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