よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


○先進医療Bの総括報告書に関する評価について 先-4-2 (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00041.html
出典情報 先進医療会議(第107回 2/4)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

[有効性の評価結果]
主要評価項目は術後2年無再発期間であり、最大の解析対象集団は、307例であり、ハ
ンプ投与群(A群)153例、手術単独群(B群)154例であった。術後2年の観察期間で、ハ
ンプ投与群(A群)では死亡例を2例に認め死亡率1.3%、再発は23例に認め再発率15%で
あった。一方、手術単独群(B群)では、それぞれ2例(1.3%)、25例(16.2%)であっ
た。手術単独群に対するハンプ投与群の無再発生存期間のハザード比は0.94(95%信頼区
間 0.55~1.62、p=0.41(log-rank検定))であり、主要評価項目である2年無再発生存期
間には二群間に有意差を認めなかった。
[総括]
ハンプ投与群(A群)と手術単独群(B群)間で、心血管合併症、呼吸器合併症の発生
率に差を認めなかったが、A群においてハンプによる血圧低下が多く発生した。術後30
日以内の重篤な有害事象として23例が報告され、被験薬投与との因果関係を完全に否定
はできないと判断された事象は4例4件(低血圧性ショック1例1件、脳梗塞3例3件)であ
った。また、肺癌周術期にはハンプの既知の副作用である血圧低下に注意する必要があ
り、投与量の減量(61.1%(91/149例))
・投与中止(29.5%(44/149例))が必要となること
が明らかとなった。ハンプ投与群(A群)と手術単独群(B群)間で、術後2年無再発生存
期間に差はなく、術後2年の観察期間ではハンプ投与による肺癌術後再発抑制効果は認め
ず、肺癌周術期にハンプを投与することの有用性は見いだせなかった。
JANP studyの参考論文、根拠論文の特定不正行為を認め、研究実施の科学的妥当性が
失われたことから、検証的試験実施の可能性はないと判断した。適応外に使用された被
験薬の安全性については注意深く検証する必要があり、特に術後に生じた有害事象とハ
ンプ投与との関連については再検証する必要があり、新たな観察研究「JANP study中止
後における肺癌周術期ハンプ投与の安全性に関する臨床研究」にてJANP study参加者の
健康観察を継続的に行うこととしている。
2.先進医療技術審査部会における審議概要及び検討結果
(1) 開催日時:令和4年1月 13 日(木)16:00~
(第 127 回 先進医療技術審査部会)
(2) 議事概要及び検討結果
大阪大学医学部附属病院から提出のあった総括報告書について、先進医療技術審
査部会で、有効性・安全性等に関する評価が行われ、総評として概要以下のとおり
であった。
○ 本臨床試験を開始するにあたって、研究背景となった参考論文の一部、な
らびに根拠論文の基礎研究部分に、研究活動上の特定不正行為を認めたこと
は大変残念であるが、先進医療 B として行われた本臨床試験については、適
切に管理・運営・解析されたと判断する
○ 今回の臨床試験成績では薬事承認申請の効率化に資することはないと考え
られる
当該技術の総括報告書を了承し、先進医療会議に報告することとした。
(本会議での評価結果)
第 127 回先進医療技術審査部会

資料2-1、2-2参照

(評価技術の概要)
第 127 回先進医療技術審査部会

資料2-3参照

2