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資料5-1 成長と分配の好循環形成に向けて(有識者議員提出資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/1201/agenda.html |
出典情報 | 経済財政諮問会議(令和4年第15回 12/1)《内閣府》 |
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資料5-1
成長と分配の好循環形成に向けて
2022 年 12 月1日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
分厚い中間層の形成は、経済格差の広がり・固定化を防ぎ、安定的な消費につな
がることから、持続的な経済成長をもたらすことが期待される。このため、成長と分配
の両面から双方向で効果を及ぼしあい、また、バランスの取れた形で経済が拡大して
いくようマクロ経済を運営していくことが重要である。
このためには、まずは、現在のコスト上昇に対する企業における価格転嫁と来年の
春季労使交渉に向けた賃上げが不可欠である。同時に、この機をのがさず、人への
投資、研究開発投資を含む国内投資を加速するとともに、成長分野での雇用創出や
労働移動、正規化等を通じた労働市場の強化を通じて、新陳代謝を生み出しながら好
循環を拡大する必要がある。こうした取組を通じて、日本経済の供給サイドを抜本的
に強化するとともに、分厚い中間層の形成と格差是正を実現していくべき。
1. 企業の投資拡大と賃上げを通じた家計所得の増加に向けて
企業部門では、借入依存も低く、可処分所得に対する投資水準も低いことから、貯
蓄投資バランスが大きなプラス(貯蓄超過)となっている。長年停滞してきた企業投資
を活性化し、収益を拡大し、賃金引上げの原資にも結び付けるべき。また、家計部門
では、GDPに対する雇用者報酬の水準が低く、財産収入が少ないことも特徴。
ワイズスペンディングを徹底しつつ、長期計画的に政府投資を展開する「ダイナ
ミックな経済財政運営」や労働市場の強化、規制改革の推進等官民連携で、企
業の国内投資拡大に結びつけていくべき。
継続的な賃上げ、正規化の促進により雇用者報酬を拡大していくべき。また、
資産所得倍増等の取組を通じて、可処分所得の拡大にもつなげるべき。
2. 女性活躍の強力な推進
日本の女性について、潜在的に高い就労能力を持つ割合は高く、ICTリテラシーに
ついても諸外国と比べてそん色ない1ことから、成長産業での就業ポテンシャルは高い。
1
OECD 国際成人力調査(PIAAC)によれば、読解力、数的思考能力において、いずれの年齢階
層、学歴で見ても他国と比べて水準が高いとされる。ただし、各国では読解力と就業に相関が見ら
れるのに対して、日本では関係性が見られないことが報告されている。また、ICTリテラシーに関し
ては、中程度以上のICTリテラシーを持つ割合は他国とそん色無く高いレベルにある一方、テストの
成長と分配の好循環形成に向けて
2022 年 12 月1日
十倉 雅和
中空 麻奈
新浪 剛史
柳川 範之
分厚い中間層の形成は、経済格差の広がり・固定化を防ぎ、安定的な消費につな
がることから、持続的な経済成長をもたらすことが期待される。このため、成長と分配
の両面から双方向で効果を及ぼしあい、また、バランスの取れた形で経済が拡大して
いくようマクロ経済を運営していくことが重要である。
このためには、まずは、現在のコスト上昇に対する企業における価格転嫁と来年の
春季労使交渉に向けた賃上げが不可欠である。同時に、この機をのがさず、人への
投資、研究開発投資を含む国内投資を加速するとともに、成長分野での雇用創出や
労働移動、正規化等を通じた労働市場の強化を通じて、新陳代謝を生み出しながら好
循環を拡大する必要がある。こうした取組を通じて、日本経済の供給サイドを抜本的
に強化するとともに、分厚い中間層の形成と格差是正を実現していくべき。
1. 企業の投資拡大と賃上げを通じた家計所得の増加に向けて
企業部門では、借入依存も低く、可処分所得に対する投資水準も低いことから、貯
蓄投資バランスが大きなプラス(貯蓄超過)となっている。長年停滞してきた企業投資
を活性化し、収益を拡大し、賃金引上げの原資にも結び付けるべき。また、家計部門
では、GDPに対する雇用者報酬の水準が低く、財産収入が少ないことも特徴。
ワイズスペンディングを徹底しつつ、長期計画的に政府投資を展開する「ダイナ
ミックな経済財政運営」や労働市場の強化、規制改革の推進等官民連携で、企
業の国内投資拡大に結びつけていくべき。
継続的な賃上げ、正規化の促進により雇用者報酬を拡大していくべき。また、
資産所得倍増等の取組を通じて、可処分所得の拡大にもつなげるべき。
2. 女性活躍の強力な推進
日本の女性について、潜在的に高い就労能力を持つ割合は高く、ICTリテラシーに
ついても諸外国と比べてそん色ない1ことから、成長産業での就業ポテンシャルは高い。
1
OECD 国際成人力調査(PIAAC)によれば、読解力、数的思考能力において、いずれの年齢階
層、学歴で見ても他国と比べて水準が高いとされる。ただし、各国では読解力と就業に相関が見ら
れるのに対して、日本では関係性が見られないことが報告されている。また、ICTリテラシーに関し
ては、中程度以上のICTリテラシーを持つ割合は他国とそん色無く高いレベルにある一方、テストの