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資料4     遠隔医療の更なる活用について (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210433_00033.html
出典情報 社会保障審議会 医療部会(第94回 12/5)《厚生労働省》
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医療部会における議論(令和4年8月17日)
 オンライン診療は、過疎・中山間地域など、医療資源が少なく、医療機関へのアクセスが困難な地域に暮らす患者、通院が困難な患者さんの
受診機会を確保する観点から、有効な手段である。
 75歳以上高齢者の31.5%が要介護、85歳以上高齢者の57.8%が要介護というデータが出ていた。まさに病院に通えない患者さんがこれから
どんどん増えていくということを背景にすると、いろいろなところにオンラインというのは、大いに賛成するところである。
 離島や中山間地域等の医療機関が少ない地域では、オンライン診療では対応できない急病や急変時に、患者が速やかにアクセスできる医療機
関の体制整備が難しいことから、救急搬送体制の強化等についても御検討いただきたい。
 医療過疎地で開業医が廃業してしまい無医地区になるので、公立病院に対して医師の派遣をしてもらえないか、あるいは、それが難しい場合
に、巡回診療をしてほしいという要請が行われているケースが現実にある。公立病院も医師が潤沢なわけでないため、医師の派遣はもとより
巡回診療も移動の時間などを考えるとなかなか難しいが、そうした場合、オンライン診療で対応できないかどうか検討しています。そして、
それをオンライン診療でやる場合、ITリテラシーが低い高齢者等も現実にいるので、公民館に集まってもらって、その職員、別に医療職でも
介護職でもない事務の職員がその手助けをすることで、パソコン操作等のトラブルを回避できないかどうかということも検討している実例が
ある。
 私どもの町も過疎地ですので、独居の高齢者が非常に遠いところに住んでおられるケースがかなりあり、通院するたびに足もない、市営バス
の本数も少ないという中で、特に雪深い冬などは大変苦労されながら病院に通っている。しかも病院に通っても、基本的には定期的に診察を
受けて薬をもらってくるだけという方も相当おられます。その意味では、そうした負担を下げる意味でとても有効だと思っている。オンライ
ン診療を行う場所については、基礎自治体・市町村と連携していただければ、いろいろな場所の提供、公民館も含めて、そうしたことは容易
にできますし、また、それに適した場所の選定というのも、地域が分かった市町村ならすることができる。
 過疎・僻地、それから医療資源の貧しいところ、地域医療を守るために、提示いただいた形での展開が非常に大事だと認識している。場所等
も含めて、地域に任せるところは任せてというのが1つ基本と思っている。ただ、今回のオンライン診療に関わることの原点は、一番大事な
ところは、平時はそういう形でできるかと思うのですが、急変・急病時に対応、救急搬送等の受け入れ等についての対応・連携がしっかりと
担保されていないというオンラインの展開はどうかということがあります。また、変な形での制限なきオンラインとなると、東京一極で全国
をやってしまうような形もできてしまうという可能性もある。地域医療を守るという原則をしっかりと規定していただくことが必要と思う。
 オンライン診療の実施に当たっての基本理念の1つ目は、日常生活の情報を得る。これによって医療の質のさらなる向上に結びつけるという
こと。2番目は、医療に対するアクセシビリティを高めて、よりよい医療が得られるということ。3番目は、患者の治療に当たって治療効果
を最大化するということ。一方で、通所介護事業所、公民館は、理念の1である日常生活の情報を得ることは難しいと考える。もともと医療
を提供する場所については、特定多数の人に対する医業又は歯科医業を提供する場所は病院又は診療所であり、オンライン診療であっても同
様であるため、特定多数人に対するオンライン診療を提供する場合には、診療所の届出を行うことが規定されている。そういった通所介護事
業所、公民館等、これらが特定多数人に対する診療を提供する場所には該当しないと考えることは、無理があるのではないか。一方で、離
島・僻地など、訪問看護ステーションがない、または不足している地域もある。このような地域については、巡回診療の通知等を参考に、簡
易な手続でオンライン診療を実施できるようにすることが、患者さんの医療へのアクセシビリティをよくすると考えている。
 公民館等は、場所によっては壁が薄いなど、物理的に外部から隔離された空間とは言いがたいところもある。僻地や離島での必要性は理解す
るものの、指針にある「第三者に患者の心身の状態に関する情報の伝わることがないよう」という観点からも、適切とは言えないのではない
か。

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